シミの種類によってケア方法が違う?肌に刺激を与えないていねいなスキンケアと同様に信頼できる医院の受診をおすすめします。

シミの種類によってケア方法が違う?肌に刺激を与えないていねいなスキンケアと同様に信頼できる医院の受診をおすすめします。

シミは、その種類によって治療方法が気になるって知ってる?

治療しやすいもの、しにくいものがあるって本当?

今回は、プライム銀座クリニック院長の髙澤博和先生にシミ治療についてお話を伺いました。

治療が比較的簡単なシミと複雑になるシミとは?

雀卵斑(そばかす)・SK(老人性色素斑)の2種は治療が比較的簡単といえます。

これらは基本的に表皮内の異常です。

そのため、メラニンをターゲットにしたIPL(フォトセラピー)やQスイッチ(またはピコ)レーザーで比較的簡単にシミ治療が可能です。

肝斑・ADMの2種は治療がちょっと複雑になる傾向があります。

これらは表皮の奥の真皮層まで及ぶメラニンの異常です。治療経過は一辺倒ではなく、間違った治療を繰り返している方も多いので、正しい情報に基づいて治療を計画する必要があります。

そして、PIH(炎症後の色素沈着)は時間とともに薄れるものなので、悪化しないように大事にスキンケアをするべきです。

そのため、基本的には、レーザーもIPL(フォトセラピー)も当てるべきではないと考えています。

夏の紫外線で濃くなるシミは3種類

基礎知識を少し詰め込んだところで、本題に入ります。

夏の紫外線でシミが濃くなったと感じたら、それは雀卵斑(そばかす)・SK(老人性色素斑)・肝斑のいずれかです。

つまり、肝斑を除けば治療方針はかなりシンプルです。雀卵斑(そばかす)は表皮内で、比較的メラニンが豊富なためIPLとの相性が非常に良いです。

1~3回くらいのIPL(フォトセラピー)でかなり薄くなります。

SKは、シミの状態にやや幅があって、メラニンが多いものからやや少ないもの、細胞の増殖で厚みが結構あるものとあまりないものまでさまざまです。

メラニンが多く厚みが少ないものはIPLで簡単に治療できますが、メラニンが少ないものはQスイッチレーザーを当てたり、厚みがあるものはCO2レーザーで焼灼したりして対応します。

肝斑がない場合の治療ならとてもシンプル

肝斑がなくて、雀卵斑(そばかす)とSK(老人性色素斑)だけであれば、治療方針は比較的シンプルです。

まずはIPL(フォトセラピー)を紫外線が減ってくる秋ごろに行います。

メラニンが濃いシミを中心に、効率よくシミを落としていくことができます。

保護のためのテープを張ったりといった治療後の煩わしいことがないのがうれしい点です。

1回~3回程度のIPLで濃いシミがなくなったら、残った薄めのシミの中でどうしても気になるものがあれば、Qスイッチレーザーのスポット照射を行います。

紫外線が少ない冬の間に治療が完了した後は、再発の予防に努めることが大事です。しかし、何年か経つと多かれ少なかれまた新しくシミが出てくることが考えられるので、同様の治療プランを数年に一度立てていただくといいと思います。

肝斑がある場合はいったん肝斑を抑えてからがベター

肝斑があると、治療はぐっと難しくなります。

「いやいや、肝斑だったらレーザートーニングでしょ!?」

と聞いたことがあるという方もいるかもしれませんが、飛びついてはいけません。

肝斑の原因は肌をこするなどの慢性刺激によるバリア破壊が根本にあります。

日常生活や普段のスキンケアで無意識にこすってしまっていることなどが原因で肝斑になっているのです。

それを改善しないとレーザートーニングなどでわずかに改善があったとしてもすぐに再発したり、悪くすると白斑など肌の色むらができて状況がより悪化してしまうこともあります。

まずは徹底して肌の安静(こすらない、やさしい洗顔、ていねいな保湿)を行いましょう。

そして、肝斑が自然に改善するような傾向がみられてからIPLやQスイッチレーザーでその他のシミを治療するのが適切です。

一口にシミ治療といっても、シミの種類によって治療方法はさまざま。

シミを消したい!と思われる方は、信頼できる専門家に相談することをおすすめいたします。

そして、普段のスキンケアもていねいにやさしくおこない、肌の刺激になるようなやり方をしないよう心がけましょう。

執筆者

髙澤 博和先生

プライム銀座クリニック院長

中国北京 領医医美クリニック院長

1979年生まれ、京都大学医学部医学科卒業。

医師免許、中国北京市医療許可証、日本美容外科学会会員。

2014年からプライム銀座クリニック院長、2018年から中国北京で領医医美クリニックの院長を兼任して日々の治療・後進の指導に当たっている。

プライム銀座クリニックのプライム(Prime)は、クリニック自体がすばらしいものであることを宣言するとともに、患者様が「the prime of life(人生最高の時)」を過ごす手伝いをするということを目標に名付けている。

嘘や誇張を用いず、ありのままの美容医療をお届けすることを企業理念とし、日々の診療に取り組んでいる。

プライム銀座クリニック

https://prime-ginza.jp/

関連記事:

配信元

キレイ研究室
キレイ研究室
「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。