よくないことが起きるたびに「お守り」や「数珠」を身につける。そのせいで、バッグにはお守りの類がたくさん。しかし、それは本当に“お守り”なのだろうか……?かんさび(@kansabi_kk)さんの「子狐の根付の話」は、「お守りは、持ち主の前向きな姿勢があって初めて効果がある」という話を描いた漫画だ。X上で万バズして話題になった同作について、作者のかんさびさんに話を聞いた。
■ お守りはただのアクセサリーじゃない!不安を手放す鍵は自分次第!
ストーリーを考える際に、まず道具や風習を調べるという作者のかんさびさん。この漫画を描いたのは、お守りについて調べている時に、昔天然石屋で働いていた時のお客さんのことを思い出したことががきっかけだと話す。「悪いことが起こるたびにお守りを買いに来るお客さんを見て、逆にそのお守りが悪い出来事を忘れられなくしているのでは」と疑問に思っていたそう。「お守りは持ち主の前向きな姿勢があって初めて効果がある」と感じ、この疑問から「小狐の根付のお守りの話」が生まれたという。
作中で鍵となるのは「お告げ」のシーンだが、作者自身には特別な霊感やスピリチュアルな体験はないという。不思議な世界を描く理由については「自分が不思議な体験をしていないからこそ、そういう世界に強く惹かれるのかも」と語ってくれた。作品の全ては、もともと興味のあった民俗学や伝統からヒントを得て創作を進めており、すべてがフィクションだという。
お守りの持つ力についての考えを聞いてみると「お守りはただ持っているだけで何かを変えるものではない」とのこと。「お守りを持つことで、困難に対して自分がどう向き合うかを意識するきっかけになる」と話してくれた。
さらに、彼女の趣味である石集めについて「何万年もかけて成長する石の長い歴史と自然の美が好き」だと教えてくれた。石という自然の産物から得られるインスピレーションが、彼女の作品にも大きな影響を与えているのだろう。
かんさびさんは他にも伝奇、民話、伝承、民俗学、逸話、妖怪、文学、怪談、付喪神を基にした不思議な短編漫画をたくさん描いている。興味のある人はぜひ読んでみてほしい。
取材協力:かんさび(@kansabi_kk)
配信: Walkerplus
関連記事:
