【漫画】亡きおじいちゃんが愛用していたチェックシャツ…オタクにならずおしゃれに着こなす方法に「こんな視点持ってこなかった」と話題

【漫画】亡きおじいちゃんが愛用していたチェックシャツ…オタクにならずおしゃれに着こなす方法に「こんな視点持ってこなかった」と話題

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ヤングエースUPで連載中、『服を着るならこんなふうに』(KADOKAWA)から、ダサいと言われがちなネルシャツをオシャレに着こなす方法に迫る『おじいちゃんのチェックのネルシャツを今オシャレに着るなら(前編)』をピックアップ。

作者の縞野やえさんが8月20日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、7800件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・縞野やえさん、メンズファッションプロデューサー・MBさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■オタクのイメージ“恐怖のネルシャツ”をうまく着こなす方法とは

祐介は1か月前に亡くなったおじいちゃんの夢を見た。まだおじいちゃんが亡くなったことに実感がわかない祐介。口数が少なくて何事もスマートおじいちゃんは、服もちゃんとしていたような記憶がある。ああいうお年寄りになりたいよな~と、今日はおじいちゃん風のオシャレをして出かけるか、と思った。

吉祥寺駅で友人の高田と待ち合わせ。高田は「都心は道ゆく誰もがオシャレで素敵だと思うと同時に、自分は寒いとオシャレとか言ってらんない」と話す。祐介もそれに同感するのだった。「最近服買った?」と服の話になり、高田は「冬に着る服、あれが怖い…」と話し始めた。

祐介が家に帰ると、母親から荷物が届いていた。なにも書かれていない怪しい箱を恐る恐る開けてみると、柄物の服が見えた。「ダメだ、逃げろ‼」とその服に怯える祐介。すると、妹の環に母から電話がかかってきた。

「安くてオトクな服を買って送ってこないでくれ~~‼」と訴える祐介。そこで高田との“ネルシャツをオシャレに着る難しさ”について語ったことを思い出し、俺をダサくしているのは環境だと嘆いた。母はすかさず「違う違う!今回はおじいちゃんの服だよ」と諭す。服をよく見てみると、本物のバーバリーを含む年季のわりに綺麗な服が送られていたことに気付いた。

服を見ただけでおじいちゃんの人柄が浮かんでくる。おじいちゃんの服からは、洋服がすごく好きで大事にしていたことがよくわかった。環は、受け継げるほど丁寧に着られた服って素敵だねと思った。

環は海外は物でも建物でも年季の入ったものほど価値を見出す傾向があって、そういう文化も素敵だと語る。ただ祐介はロマンはあるけど、今回はマジで着ないかもと逃げようとする。環はそんな兄に「ダサい服があるんじゃなくて、服は着こなしでオシャレにするもの!」と唱えた。

兄・祐介VS妹・環の「ネルシャツはオシャレにできるのか」という戦いが始まる――。

ネルシャツをオシャレに着れるのか論争に「気になる」「夫も同じ理由でネルシャツ恐れてる」と反響。「定番だけどお洒落に着るの難しい」と祐介に共感する声も。「大切に着古したのが分かるのが良いのよ」「古着はほんと沼」「昔のデザインとか可愛くて」と古着の魅力を語るコメントも多く寄せられていた。

■「どうしたらオシャレに着こなせる?」という多くの読者の興味を紐解く作品を展開、作者・縞野やえさんとメンズファッションプロデューサー・MBさんにインタビュー

――『服を着るならこんなふうに』はどんな作品ですか?

縞野さん:ファッションは学ぶ機会が少なく、日常的なものなのに取っつきにくいものです。なので、著名なメンズファッションプロデューサーであるMBさんの監修を基に、基礎を理論的に紐解くことから始まり、トレンドの仕組みや取り入れ方、最新刊では自分のスタイルの持ち方までを描いてきました。1巻が出たのは約10年前ですが、考え方の基礎自体は普遍的なものですので、今からでも読んで頂けると嬉しいです!

MBさん:「ファッションに疎い人に分かりやすく論理的に服を教える」というのが元々の僕の活動コンセプトでした。「トレンチコートが気分」「今年は青色がキテる」などの抽象的な表現ではなく、視覚効果や歴史上の裏付けなど極めて論理的な解説でファッションを紐解くやり方です。いささか面倒で複雑な話にもなりがちなのですが、漫画という分かりやすいメディアを使って解説された作品です。

――本作では、お洋服に関する知識やコーディネートについて学ぶことができます。発想や知識はどのようなところから来るのでしょうか。

縞野さん:基本的にはファッションにとても疎い私が素朴に考えた疑問が起点になり、それをMBさんに答えていただくことでお話を作っています。疎い人間と詳しい人間がタッグを組んで描いていっている形ですね。MBさんの理論は、疎い私でも毎度納得のまさにプロの理論。一度読んで頂いたらこのすごさが分かっていただけると思います。

MBさん:10代の頃からまとめてきたファッションのロジックをこれでもかと詰め込んでいます。あらゆるファッションの古書に目を通し、パリミラノのコレクションを20年以上追いかけて網羅し論理化・体系化してきたので知見には絶対の自信を持っています。また古い知識のみならず年間3000万円服を購入し試着だけでなく解体したり研究を続けているため、新しいトレンドやファストファッションの話も多く出すことが出来ています。

――たくさんのお洋服やそれを着こなそうと頑張る主人公が登場しますが、キャラクターデザインへのこだわりがございましたらお教えください。

縞野さん:キャラクターへ親しみを持ってもらいたいと思って描いています。「この作品を読めば、服に興味がそこまでなくても、理論を知ることで苦手意識を払拭することができる」と読者さんに信頼してもらう為の空気感をキャラクター達に出してもらっています。そのために主人公の駄目さを(最近はこれでも)セーブしています!

MBさん:縞野さんはまるで本当に生活をしている様な、魅力的で生き生きとしたキャラクターを描く名手です。さらに洋服の細部まで表現して頂けるタッチをお持ちです。僕が作った机上のロジックがもう一つの現実世界のようにキャラに伴って動き出してくれるので制作側である僕自身が驚いています。服のウンチクだけでなく心の部分まで捉えてる縞野さんには本当に尊敬しかありません。

――お洋服に伴う思い出に涙する読者も多く見られました。作中の中で特にお好きなお話がございましたらお教えください。

縞野さん:泣ける話自体は少ないですが、お爺ちゃんの話は発売中の最新刊16巻に入っていますのでどうぞよろしくお願いいたします! その他では奥手な大学生の男の子(圭)が同級生の女の子に恋をして自分自身を磨きたいと努力する話を4巻以降に定期的に描いています。主人公では恋愛の話がない分、時間をかけたエピソードになっています。

MBさん:手前味噌ですが僕の祖父がつい先日他界しました。新刊では主人公の祖父との思い出が描かれているのですが、まさに場面が重なりつい涙腺が潤んでしまいました。この作品は服をモノとして捉えるのではなく、人生の場面の中で捉えている様に出来ています。単なるモノではなく感情や人との出会いを伴うドラマティックな描き方が服着るならではだと思います。是非そんな視点で…HOW TOを超えた面白さを見ていただければと。

――今後の目標や展望がございましたらお教えください。

縞野さん:現在掲載中の129話からの最新エピソードでは、服にまつわる“あるある”を取り上げていっています。SNSでバズっているあんな話題やこんな話題にも触れていきたいと思っていて、水曜日に定期更新をしていますのでよかったら公式アカウントをフォローして頂けると嬉しいです!

MBさん:累計200万部突破の本作ですがまだメディアミックスに至っておりません(泣)。 今後は期待してくださっている読者さんのためにも実現したいと思っております。各社、お話お待ちしております!!!!!(笑)

――読者やフォロワーの皆様にメッセージをお願いいたします。

縞野さん:繰り返しになりますが、最新エピソードは“あるある”です!ショートエピソードを高頻度で更新してきますので、楽しみにしていてください。これからも宜しくお願いいたします!

MBさん:すっかり長寿漫画となった本作ですが、まだまだ祐介はおしゃれになれていません(笑)。時空が止まった様に成長しているんだかしてないんだかの祐介ですが…今後も生暖かく見守って頂ければ嬉しいです!(笑)

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