第2子を予定帝王切開で出産したぬぴさん。赤ちゃんが生まれてから、その後どのような入院生活を送ったのか、ぬぴさんの出産エピソードをご紹介します。
生まれる赤ちゃんの数だけある出産のエピソード。SNSで見たり、プレママ友やママ友から話を聞いたりしたとき、なんとなく気になることがあったりしませんか?
妊婦さんが少しでも快適なマタニティ生活を送れるよう、ぬぴさんに今回の出産時の経験を共有していただき、女性医療クリニックLUNA横浜元町・婦人科医である小野寺真奈美先生に出産にまつわる疑問点を教えていただきました。
おなかをおされながら、無事に第2子となるおまめくんが誕生! 38週で3644kgあり、先生からも助産師さんからも「大きい」と言う声が聞こえてきました。
赤ちゃんに会えた時はどのように思ったのでしょうか。
「ずっとお腹にいた赤ちゃんが無事に出てきてくれてホッとしました。あとは、やっぱり『可愛い!!!』ですね」。
可愛い赤ちゃんにやっと無事に会うことができました。
赤ちゃんの愛おしさをかみしめていると、先生から思いも寄らぬ言葉をかけられます。「卵巣の横に腫瘍があるから取っちゃうね」。はじめ、ぬぴさんは重い病気なのか何も分からずドキドキしましたが、医師によるとそれは傍卵巣嚢腫というもので、良性であることがほとんどではあるものの稀に悪性のこともあるため検査に出すとのこと。「ほんとに痛くも痒くもなかったので、今回見つけてもらって嚢腫を取ってもらえてよかったです!!」。
術後の処置が終わり、赤ちゃんとご主人の待つ病室へと戻ったぬぴさん。。ベッドに横になると、血栓防止ポンプやさまざまな計器を体にセットされ、顔と腕でしか動かせない状態に。大きな赤ちゃんについてご主人と話をしていると、助産師さんが胎盤を見せてくれました。通常は500gぐらいのところぬぴさんは800gもあり、またへその緒も太かったようで、助産師さんは「赤ちゃんに栄養がいきやすかったのかもね」と楽しそうに話してくれたそう。胎盤を見たぬぴさんの感想は「胎盤は「内臓!!」って感じでした(笑)」。
麻酔が切れた頃、ぬぴさんは急におなかにかゆみを感じます。痛みも強くなり、発熱。一晩中、おなかの傷の痛みと、後陣痛に苦しみました。それは3種類の痛み止めを交互にいれても一睡もできないほどだったと言います。
そんな痛みを引きずる翌日からリハビリがスタート。
第1子のときに術後のリハビリが辛かったこともあり、SNSで予習をしてきたぬぴさんは、1回で座ることができました。
前回よりも長く体を休められたことも動けた要因だったようですが、辛くはなかったのでしょうか。
「翌日はとにかく安静に…というわけにもいかず、バンバンリハビリが始まるので、自分の体調と相談しつつ起き上がる練習をしていました」。
無事に2人目を出産されたぬぴさん。第1子時と大きく違うと感じたことは何だったのでしょうか?
「1人目は陣痛からの誘発分娩で2日間完徹のボロボロの状態での手術だったので、満身創痍という感じで術後の回復が遅かったです。
2人目は手術直前まで元気だったからか、術後の回復も早かったです。また、術後の痛みの強さ、リハビリの大変さを知っているので心の準備ができていたからか気持ちに余裕がありました。それでも、手術が無事に終わるまではヒヤヒヤでした」。
専門医に聞く「出産」にまつわるギモン
ぬぴさんの出産レポートをもとに。現在女性医療クリニックLUNA横浜元町・婦人科医であり、ご自身も2児の母である小野寺真奈美先生に、出産にまつわる様々な疑問をお聞きしました。
── ぬぴさんに見つかった、「傍卵巣嚢腫」とはどのようなものなのでしょうか?
「傍卵巣嚢腫とは卵巣や卵管に隣接する臓器で、発生頻度は子宮や卵巣卵管の腫瘤病変の約10%と報告されています。卵巣そのものの腫瘍と区別がつきにくいことも多いです。手術をした際に偶然見つかる場合もあり、今回も手術のときに偶然見つかったと思われます。大きくなると捻転といって、急な腹痛の原因となったりする場合もあります。また、まれに悪性腫瘍などを合併している場合もありますので、できもの自体が悪性などではないかといった検査を行います」。
── 胎盤の一般的な大きさはどれほどでしょうか? 子宮内の環境を良くするためにできることはありますか?
「胎盤とは胎児に栄養や酸素を送る臓器で、胎児の成長とともに大きくなっていきます。出生時には直径20~30cm、重さ500~600gと言われています。子宮内の環境をよくするためには一番注意しなければならないのは、「妊娠中にやめましょう」といわれる行為です。喫煙・アルコール・血圧などには特に注意が必要です。母児ともに命に関わる問題が出てくる可能性があります。特に喫煙は周りの人も含めて注意が必要です。他は過度に心配せずに普段通りの生活を心がけましょう」。
── 後陣痛とはどのようなものなでしょうか?
「後陣痛とは分娩後の子宮収縮による疼痛のことです。子宮が戻るためには必要なことで、産後数日間は症状があります」。
── 痛みもまだまだある翌日から動かなくてはならないのはなぜでしょうか?
「帝王切開の場合は手術中から術後にかけて同じ体勢で横たわっているため、血液が滞りやすく血栓症のリスクが高まるといわれています。
予防として①手術中・後の弾性ストッキングやフットポンプ ②早期離床 ③抗凝固療法と言われています。そのため術後は痛みもありますが、なるだけ翌日から動くことが推奨されています」。
帝王切開は計画を立てられても、そして予定通りに進んだとしても、突発的な出来事が起こることはままあります。それは初めてでも、二度目以降であっても同じこと。少しでも不安を感じたことは相談をして、出産のその日を迎えられるようにしておきましょう。
ぬぴ
2児の母。日常漫画やあるある育児、夫婦のなれそめ漫画などインスタグラムなどで公開中。
取材・文=伊藤延枝
医療監修=医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニックLUNA横浜元町 婦人科医 小野寺真奈美先生
配信: レタスクラブ
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