船長に訊くカワハギ釣りの「コツ」
勝山港周辺のカワハギについて、『宝生丸』の髙橋賢一船長に聞いた。
──今シーズンのカワハギ、攻略のコツは?
髙橋船長「待ってるような釣りだと(釣果の)差が大きいですよね。だから、どんどんどんどんアタリを見つけてっちゃう人であれば30、40釣るけど、どうしてもアタリを待ってると一ケタの釣果が多くなっちゃう。魚の方からガツガツ競ってはくれないので、積極的にアピールした方が口は使ってくれる感じですね」
──これからの方々へアドバイスをするとしたら?
髙橋船長「エサを確認することです。エサを見て、誘い方を変えていく」
──カワハギ師が言う「速い釣り」「遅い釣り」、あれは具体的に言うと…?
髙橋船長「『タルマセ釣り』で言うと、例えば1秒で弛ませて、3秒待って、1秒で張るってのをフツーとするじゃないですか。したら2秒で弛ませて、1秒待って、2秒で張ると“ゆっくり”になって(釣れる魚が)大きくなる。ホントに“速い釣り”をするんだったら全部1秒にすると速くなる。それを弛ませ2秒、待ち2秒、張り2秒とか、そういう風に変えていくと、“速い”“遅い”は出ますよね。これが『宙の釣り』だったら、動かす距離を短くする、そして動かすスピードを速くすれば“速く”なる。“ゆっくり”にするんだったら、こう大きく、ゆっくり動かす。エサを盗られるなら“速く”して、エサが盗られないなら大きく“ゆっくり”にして──これが“速い”“遅い”ですね。それの調節で“アタリを探す”って感じになるんです。積極的に誘っていれば、絶対どっかしらで(魚信が)出るんで、そうやって探し出していく」
この時期は釣れる水深も概ね15m前後でアタリも取りやすく、仕掛けの上げ下げも億劫にはならないため、カワハギ入門にはまさにベストシーズン。キーワードは「アタリを探す」。積極的に魚の反応を探りながら、攻めの釣りを心掛けたい。
今期も期待大、最盛期はこれから!
この日の竿頭は、船中1枚目のカワハギを釣り上げた畠中さんと、真裏の左舷ミヨシで竿を出した本間さんの7枚。次点は5枚と、全体的に難しい展開となったが、取材翌日には「新しい群れが入った」との好釣果情報が届いた。魚は確実にいると意識し、今後の好転に期待したい。
今シーズンの内房・勝山沖では、数釣りも大型狙いも楽しめる状況が続いている。気候も快適で、エサ付けに手がかじかむこともないこの季節こそ、ベテランはもちろん、これからカワハギ釣りに挑戦したいビギナーにも絶好のタイミングとして強くお薦めしたい。