朝ドラ『おむすび』ヒロインの初恋相手があまりにも美しすぎる…24歳若手俳優の“表層的”な魅力

朝ドラ『おむすび』ヒロインの初恋相手があまりにも美しすぎる…24歳若手俳優の“表層的”な魅力

オートマティックな美麗俳優

 松本怜生は、見る者に何度だって恋させる。しかも毎回が初恋のようにエスコートしてくれるかのようだ。これはどうしたものか。ここまで一瞬で人をとろかす、何か特別な才能、秘密があるのだろうか?

 その秘密の一部を明かすインタビュー記事があった。風見役の人物像について松本は「誰が見てもキラキラしているキャラクター」(『ステラnet』インタビューより)と答えている。だから「まず見た目が重要」なのだと。内面よりも(表情も含めた)外面からのアプローチ。これが風見役の役作りの基本になっている。

 もし内面的に演じ込みすぎてしまったら、あの美麗、あの初恋の衝動はうまれていないだろう。意識的にちょっと視線を動かしてみる。すると風見のカリスマ的な仕草となって、自然とキャラクター性がうまく稼働する。なんと恐るべきオートマティックな美麗俳優だろう!

「一は記号やない。言葉だ」の真意


 第2週第6回、松本の美麗な魅力が際立つ印象的な場面がある。ハギャレンに強制的に加入させられたらしい結は、書道部との両立を頑張ろうとする。するとどうも手元が力んでしまい、半紙に一本線で引く「一」の文字がうまく引けない。

 見回りにきた風見がその様子を見て「一は記号やない。言葉だ」と言う。確かにそうであるという表情をする結に対して、さらに「気持ちを込めて書く」と格言めいたアドバイスをするのだが、いやいや「一」は確かに「言葉」ではあるが、同時に「記号」でもある。

 むしろ記号そのものとしての美しさを味わい尽くした先に初めて言葉としての意味がやっとうまれてくる。風見の格言の真意がそれなのかはわからないが、でもここではっきりしていることがある。

「一」から深い読み解きをする風見役の松本その人は、美麗そのものとしての記号のように機能している。どこまでも表層的だからこそ美しいということである。松本が風見の内面よりもまずは外面(表層)を重視したのはそのためだと思う。

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