1点差で命運が分かれる激戦となった「キングオブコント2024」(TBS系)決勝(10月12日放送)において、誰よりも重圧に晒されたのは“審査員長”のポジションに据えられた東京03・飯塚悟志だったろう。
結成15年のラブレターズが王者に輝いた同大会では、審査員を務めた飯塚、ロバート・秋山竜次、バイきんぐ・小峠英二、かまいたち・山内健司、シソンヌ・じろうの5名による“団子採点”が物議の対象になった。
「1stステージを『476点』で首位通過したファイヤーサンダーに続き、2位通過のラブレターズとロングコートダディはそれぞれ『475点』と1点差で並ぶと、惜しくも4位で敗退となった、や団も『474点』と1点差でした。また、1stステージの首位と最下位の点差も『18』に留まり、各審査員による全採点の平均値は、最も低いのが山内の『93.1』で、最高値は小峠の『94.4』。かなり狭い範囲での採点となっており、甲乙付けがたい大会だったと解釈することもできるでしょう」(テレビ誌ライター)
しかし、一部の視聴者からは、“採点のメリハリがない”ことに「観ていてなんの面白みもない」「順位付けしてもらわないとコンテストの意味がないから、同じ点数付けるの無しにしてほしい」といった反応も見られた。
これを受け、「キングオブコント2013」で優勝経験のある、かもめんたる・岩崎う大が10月13日更新のXから持論を展開。本来であれば、例年通りに審査員長のダウンタウン・松本人志が、向かって1番右側の審査員席に座るはずだったが、活動休止に伴い、その席には飯塚が座っていた。
岩崎には、重責を担った飯塚が何とか採点のバランスを取っているように見えたようで、「昨日のキングオブコント観ながら、飯塚さんが思ったより点差をはっきり付けていて、僕は松本さん不在の中あそこに座る男の覚悟を感じて胸熱でした」と、独自の採点基準を貫いていたと指摘。
続けて、「だって本来、飯塚さんが点差付けたいわけないじゃないですか。ステージ上だけじゃなく、審査員席にもでっかいコント愛が輝いていました!!」と綴り、“点差を付けることの勇敢さ”を讃えている。
「今大会の団子採点の要因としては、通常は不利とされるトップバッターを務めたロングコートダディがいきなり『475点』の高得点を叩き出してしまったことも大きいですね。これに飯塚とじろうが『96点』を付け、山内は『95点』、秋山と小峠が『94点』と採点したため、残った9組へのジャッジに少なからず影響があったと考えられます。加えて、近年のお笑いコンペティションでは、キングオブコントに限らず、極端な点数の振り幅や、視聴者に理解されづらい採点基準で、その審査員に批判が集まることもあり、年々“及び腰なマイルド採点”になりつつあるというのは否めませんね」(テレビ誌ライター)
各コンビの差が縮まり、ハイレベルになったことは喜ばしいことだが、大会自体の面白みについては、審査員側の勇気も試されるということだろう。
(木村慎吾)
配信: アサジョ
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