河原の緑はその葉落とし始め、私の肩にそっと着地した。秋も深まる10月。毎年この時期になると要チェックするべき河川がある!それは栃木県箒川だ。ここ数年、シーズン後半に好調をキープする傾向にあり、ちょっとした気温や水量の変化により大爆釣の日に当たることがある。今シーズンも9月後半から本流那珂川が好調という声が聞こえ始め、支流となる箒川でも多くの鮎たちが確認されているとのこと。秋めく箒川でシーズン最後の入れ掛かり!となるか!?
釣れるアユと釣れないアユの見極めを!
小雨降る朝を迎えた。厚い雲が空を覆っていたが思ったよりも体感温度は高く、寒さは感じない。しかしこの時期の川をなめてはいけない!身構えずに「大丈夫かな~?」なんて軽い気持ちで薄着で行くと、ブルブル状態になってしまうのがオチ。しっかり防寒をして出動だ!
今回向かったのは箒橋上流のポイント。スタートがちょっと遅かったこともあるが、橋の上下には多くの釣り人の姿が見られた。しばし川を眺めるが竿を曲げている人はポツポツといった感じ。「朝のうちはそう簡単には釣れそうにないな~」と友人たちと顔を見合わせた。
私たちは釣り人の少ない橋上流へと向かうことに。岩盤と小石底が混じるポイントだ。左岸側から川を切り始めると足元ではシュンシュンと鮎の走る姿が確認できた。ここ最近1尾目が中々獲れず、ヒヤヒヤなスタートを切る自分に「大丈夫!釣れる!」と言い聞かせ、歩を進めていく。
川には「魚せき漁」に使うであろう杭が川を切るように設置されていた。右岸側は浅い小石底。青ノロも発生し始めていたが、それを縫うように鮎たちが走る姿が見えた。あちらこちらに小さな群れも確認でき、小石底を喰みキラキラと輝いている。鮎はかなりの数いそうだ!一方、川中央には岩盤底の瀬があったが、こちらでは鮎の煌めきを見ることはできなかった。
さて、岩盤か?小石底か?迷った末、やはり見え鮎に引っ張られるようにして右岸の小石底のポイントから竿を出すことに。仕掛けを張る間にも鮎の跳ねや煌めきはあちらこちらで見えていた。これだけ鮎がいれば、1尾は獲れるだろう、とこの時は思っていた・・・。しかしオトリを広範囲に泳がせても針に触れることすらない。泳がすオトリの真横では鮎が跳ねているというのに。
腰を下ろし手前を探っていると群れがやってきた。よ~く見ているとその群れはオトリから逃げるように泳いで行くではないか!こりゃいかん!箒川では多くの見え鮎たちがいるが、これに引っ張られてしまうと痛い目に合う!しっかりと石色を見てポイントを見極めることが大事だ。結局、ここでは事故で掛かったゲストフィッシュ1尾のみで終わった(泣)。
掛かるアユは流れの強い岩盤にあり!
朝から強い瀬に入った友人は、なんと即掛かりからの連チャン。満面の笑みを浮かべている!相方も瀬肩で良型の鮎を手にしていた。これは間違いなく岩盤の瀬が良いだろう!早速、私も少し下流に移動し二股に分かれた細い瀬に入ってみる。確かに川底の岩盤は磨かれ青ノロも少ない。いつも見える鮎にふらふらとついていってしまう自分に反省である。
オトリを送り込めば「ガッツーン!」と、一発だ!鮎の姿も煌めきも目視はできないが岩盤にはしっかりと縄張りを持つ鮎が着いていたのだ。そして、野鮎を放てば一気に反応が良くなる。「ギュンギュン」と前アタリがあったかと思えば一気に針掛かりし、竿を曲げる!おお~これは楽しい!しかし数は出るもののこの小さな瀬では、上がってくるのは小型ばかりであった。
配信: 釣りビジョンマガジン