「コンパクトになって内容量そのまま」という記載は必要だったのか
原材料や輸送費の高騰や目まぐるしく変動する物価については、誰もが痛いほど理解しているはずです。それでも今回ネットで少し悪意を持って話題になってしまったのは、『コンパクトになって内容量そのまま』という記載でした。
ステルス値上げに消費者が敏感になっている今、「開き直っている」「潔い」など誰もがツッコミたくなるこの記載。何も触れずにいることもできたはずなのに、あえて記載したのはなぜなのでしょうか。
「2022年のパッケージ改定時に、内容量変更をせず高さのみを改定した商品に対し、お客様相談室に多くの『内容量も変更しているのか』という疑問のお声が届きました。今回も同じお声を頂くことがないよう、お客様によりわかりやすく理解していただくために社内で何度も何度も議論を重ねた結果、パッケージに記載する形を取らせていただきました」(担当者)
内容量やパッケージ、価格を都度変更したところ結果的に段階を踏んだように見えてしまう恐れも考慮し、できるだけ理解して手に取ってもらえるための試行錯誤だったということですね。
SNSで誰もが発信できるようになった今、企業が「こっそりやればバレないだろう」と何かをすればすぐに指摘されてしまいます。
今回のプリングルズも意図的なものではなく、「できるだけギリギリまで値上げをしないために」「できるだけお店で商品を手に取った方に誤解を生まないように」という検討の結果の文言でした。
物価高騰は私たち消費者にとってもダメージが大きいですが、企業も努力してくれていることに少しでも想いを馳せたいですね。
<文・写真/松本果歩>
【松本果歩】
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。X:@KA_HO_MA
配信: 女子SPA!
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