浜口順子さん 妊活振り返りインタビュー「不妊治療をした3年間は、人生で一、二を争うくらい、しんどい時間だった」

浜口順子さん 妊活振り返りインタビュー「不妊治療をした3年間は、人生で一、二を争うくらい、しんどい時間だった」

妊活に関わり続けてくれた夫に感謝!

夫婦で決断し、覚悟を決めて挑んだ不妊治療。出産を終えた今振り返ると、浜口さんにとってどんな時間だったのでしょうか。

「人生で一、二を争うくらい、しんどい時間でした。例えば受験だったら、すごく勉強して努力したらうまくいくかもしれません。でも妊活って、自分がどんなに努力しても反映されない。『不妊の原因は不明』と言われちゃうと、どうすることもできないわけです。妊娠しないかぎり、ずっと否定され続けているような気がして、すごくつらかったです」

治療がうまくいかないことへの焦りや苛立ち。気持ちが不安定になると誰かに相談したり話を聞いてもらったりしたくなるものですが、浜口さんは不妊治療をしていることを夫以外の誰にも打ち明けていませんでした。

「当時は気持ちが狭くなっていて、同情などもされたくなかったから。『子どもができないんや。かわいそうに』と思われるのは絶対に嫌だったんです。だから『子どもなんか考えてないよ』なんて軽口をたたきながら、“ハッピーなはまじゅん”を装っていました。今思えば、私自身が不妊治療をネガティブにとらえすぎていたのかもしれません。でも実際に治療をしてみたら、しんどいことはあったけれど、そこまでネガティブなことじゃなかった。いろんな経験をしたからこそ今があるとも思うので、妊活に無駄な時間はなかったと思っています」

「つらくて夫にあたり散らしたことも。それでも約3年間の妊活に無駄なことは何ひとつありませんでした」

親や友人にも相談できないとなると、頼れるのは夫だけ。

「夫は最初こそ他人ごとのような感じでしたが、徐々に私の大変さを理解してくれるようになり、ほぼ毎回、病院に付き添ってくれるようになりました。それなのに、うまくいかなかったとき、私は一方的に夫にあたり散らして、『私はこんなに悲しんでいるのに、あなたは悲しくないの!?』と言ってしまったんです。夫に『俺だって悲しいよ!』と言われて、ハッとしました。この人も闘っている、本当に子どもを望んでいるんだと改めて認識した瞬間でした」

実は今回の取材にあたり「夫にインタビューしてきました」と浜口さん。妊活中、印象に残っていることを聞いてみたそうです。

「私から『やたら“配慮しろ!”と言われていたこと』ですって。たしかによく言っていました(笑)。じゃあ、配慮するとはどういうことなのか?夫からは『這いつくばってでも妊活に関わり続けること』との答えを得ました。世の男性はみんなそうかもしれませんが、自分の体じゃないからピンとこないことが多い。だから妻に対して『クリニック選びも治療法も好きにすればいいよ』と思いがちだけれど、そうではなく、しつこいくらいに妊活に関わることが配慮につながるんじゃないかと夫は考えたらしいです。そこまでの思いでサポートしてくれた夫には感謝しかありません」

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