なんだかフワフワする…」めまいは社会の情勢を映す現代病
めまいに悩む人が増え続けています。
日本には、めまいの患者さんが約3000万人いると推定されています。日本の人口比で、4人に1人がめまいに悩まされていると考えられるのです。そのうち、「フワフワめまい」とも呼ばれる浮動性めまいに悩む人はなんと2000万〜2200万人もいると想定されています。
体質的なものを除くと、めまいの原因とされるのは、ストレスや加齢、生活習慣、社会環境など。ストレス社会と呼ばれる現代社会では、多くの人たちが仕事や勉強、家事に追われ、睡眠不足に陥ったり、不規則な生活を続けたりしています。こうしたストレスや生活習慣の乱れが、めまいを増やしているともいえるでしょう。めまいというのは、その時代や社会の情勢を反映しやすい現代病でもあるのです。
こうした時代背景を反映するかたちで、「フワフワめまい」に悩む人も大幅に増えています。その主たる原因が、ストレスや生活習慣の乱れにあるからです。
「フワフワめまい」とは、いったいどのようなめまいなのでしょうか?まずは、その主な特徴について触れておきましょう。
▼フワフワめまいの主な特徴
・グルグルした回転性ではなく、フワフワした浮動性のめまいである
・回転性のめまいを併発することがある
・原因は、実は複数ある
・耳鼻咽喉科などで「原因不明」「異常なし」と言われることが多い
「フワフワめまい」を引き起こす原因は複数ありますが、最も主要な原因が自律神経の乱れです。自律神経のバランスが崩れ、体温の日内変動も健康的なパターンではなくなり、その結果、さまざまな病気や症状が引き起こります。こうして起こる病気の1つが、フワフワめまいなのです。
朝は和食がおすすめ!自律神経を整える食事のルール
フワフワめまいに悩む人は、自律神経のバランスが乱れています。それにより、体温の日内変動も健康的なパターンが崩れていることが多いのです。食事を改善することにより、腸内時計を刺激し、体内リズムを整えます。これを続けていき、自律神経を整えます。
そこで今回は、自律神経を整える食事のルールをいくつかご紹介します。
朝起きたらコップ1杯の白湯を飲む
まず、朝起きたら、コップ1杯の白湯を飲む習慣をつけましょう。沸騰させたお湯を冷まして、37°C前後の人肌になるまで待ってから飲みます。
白湯を飲むことによって、腸が刺激され、体内時計のリセットに役立ちます。また、体温の日内変動では、1日のうち、朝方が最も体温が低くなっていますが、これを上昇させる効果があります。
フワフワめまいに悩む人は、1日を通じて体温が低めであったり、体温の日内変動が健常者とは違ったパターンになったりしている人も多いものです。朝、起床したら、白湯や朝食で体温を上げることが、体温の日内変動を正常化させるための第一歩となります。
朝食では、体を温める食材を摂る
朝食にも、白湯と同じく、「体内時計をリセットする「体温を上昇させる」効果があります。このなかでも、特に重視したいのが体温を上昇させる効果です。
体温は、朝方、最も低くなっていますから、それを上昇させる必要があります。そのためにお勧めしたいのが、「体を温める食材」を摂ることです。
体を温める食材としては、以下のようなものが考えられます。
▼体を温める食材
根菜類:ゴボウ・ニンジン・ショウガ・ヤマイモなど
寒い地方で育った食材:サケ・イクラなど
発酵食品:納豆・みそ・ぬか漬けなど
例えば、朝は典型的な和食である「ごはん、みそ汁、焼き魚、卵、納豆、漬物」の組み合わせは理想的です。ごはんによって糖質を摂れます。卵や焼き魚、納豆によってたんぱく質の補給もできます。野菜をたくさん使った具だくさんのみそ汁を作れば、野菜を多めに摂取できて、栄養バランスがよくなります。焼き魚にサケを選んだり、みそ汁の具材としてゴボウやニンジンを取り入れたりするのなら、体を温める食材も摂取できます。納豆、みそ汁、漬物はいずれも発酵食で、これらも体を温める食材になります。
こうした点から和食は、体を温める食材を摂るうえで非常に重宝する食事のスタイルであるのです。
夕食では、体を冷やす食材を摂る
体温は午後2時をピークに、徐々に下がっていきます。そして、寝る直前に体温が最も低くなるのがベストです。深部体温(臓器などの体の深部の体温)が下がっていくことで、自然な眠りが訪れます。また、深部体温の低下によって良質な睡眠がもたらされることが、睡眠にまつわるさまざまな研究から判明しています。
そこで夕食は、朝食とは逆になりますが、深部体温を下げるような「体を冷やす食材」を摂ることが勧められます。
体を冷やす食材には、次のようなものがあります。
▼体を冷やす食材
葉野菜類:キャベツ・レタス・ハクサイ・ホウレンソウなど
体を冷やす野菜:トマト・キュウリ・ダイコンなど
暑い地方で採れた食材:スイカ・バナナ・パイナップルなど
グリシンの豊富な食材:エビ・カニ・ホタテなど
根菜類が体を温める効果があるのに対して、葉野菜類は体を冷やす作用があります。また、葉野菜類以外では、上記に挙げたような野菜類も、体を冷やします。寒い地方で採れた食材は体を温める効果を持ちますが、暑い地方で採れた食材は体を冷やす効果を持ちます。特に果物には、その傾向が顕著です。最後にあるグリシンとは、アミノ酸の一種で、体を冷やす作用があります。グリシンには、深部体温を下げ、質のよい眠りをもたらす作用があるという報告もなされています。
夕食では、ここで、紹介したような食材を意識的に摂るようにしましょう。朝食では、1つの理想的なスタイルとして和食を推奨しました。しかし、夕食は、ご自分のお好みのスタイルの食事でいいでしょう。
なお、夕食は就寝の3時間前には終えることが理想です。食べたものの消化には2〜3時間かかることが考えられるからです。胃のなかに食べ物が残っていると、胃腸に負担がかかり、寝つきも悪くなります。そうはいっても、忙しい人にとっては、それを守ることは難しいかもしれません。そんな場合には、「できるだけ早め」を心がけるといいでしょう。
本文は『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)より一部抜粋・編集・追記しています。
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配信: クックパッドニュース