外来機能報告制度の背景
大病院での長時間の待ち時間
現状として、患者様が医療機関を選択する際、患者様ご自身が専門外来の情報を充分得られているとはいいにくい状況です。そして地域の中小病院やクリニックよりも大病院のほうが安心だというのが、多くの患者様が持つイメージです。そのため大病院では、患者様の待ち時間が長くなったり、勤務医の外来負担が大きくなったりといった課題を抱えています。
このような課題を解決するため、2016年から厚生労働省により、紹介状なしの大病院受診に対する定額負担が義務づけられました。大学病院などの特定機能病院と、一般病床200床以上の地域医療支援病院を紹介状なしで外来受診した場合に、定額負担を求めるというものです。ところが依然として、紹介状なしに大病院を受診する患者様は少なくありません。
紹介受診制度の強化
そのため外来機能報告制度によって、紹介受診制度の強化を図ります。具体的には、地域においてまずかかりつけ医機能を持つ中小病院やクリニックを受診し、高機能病院での治療が必要だと判断される場合には紹介状を持って受診する、といった流れの徹底を目指すことです。
そのためには、かかりつけ医機能を担う医療機関と、高機能病院など大病院とのさらなる医療連携が求められます。
この記事を監修してくれたお医者さん
粟田裕治
ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック 院長
略 歴
日本医科大学卒業/川崎幸病院 初期臨床研修/川崎幸病院 消化器内科/医療法人社団CMG ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック 院長
保有資格
日本内科学会 認定内科医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本病態栄養学会認定 NST研修修了/緩和ケア研修修了/難病指定医
配信: 医科歯科健診コラム
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