YouTuber・ちいめろ。人間不信にもなった “小学生ホスト” の炎上事件から10年。自分なりの子育てを続けてきたら、世間の目が変わった

YouTuber・ちいめろ。人間不信にもなった “小学生ホスト” の炎上事件から10年。自分なりの子育てを続けてきたら、世間の目が変わった

悪質ないたずらも。でも、絶対に屈しないというスタンスを貫いた

――実際に事件などもあったそうですね。そのようなつらい出来事をどうやって乗り越えてきたのでしょうか。

ちいめろ 一度、宅配の代引きを勝手に送りつけられたこともありました。その当時、自分の悪口が書かれている掲示板をけっこう見ていたのですが、「〇万円の代引きを送りつけてやった!」と書いてあって、「えー、マジ!?」なんて思っていたんです。そうしたら本当に代引きの宅配が届いて、その金額がまったく一緒だったので、これにはびっくりしましたね。自分がたまたま家にいたので、事情を話して対処してもらえたのですが・・・。

あとは、いたずらで通報されて児相(児童相談所)が家に来てしまったり、殺害予告を受けたりと、かなり過激なこともありました。でも私は常に、そうやって攻撃してくる人たちに対して、「絶対に屈しないよ!」というスタンスでいましたね。

私、気が強くて、昔からとにかく人に負けることが大嫌いなんです。あとは、こうして高校生のときからずっとSNSをやっていると、すべての出来事がネタに思えてきちゃうんですよね。ブログに書くネタがまた増えたな、くらいの気持ちでいるようにしていました。

――琉くん本人は、ホストの格好をしたり、髪を染めたりすることはどう思っていたのでしょうか?

ちいめろ 本人は、何も思っていなかったみたいです。小さいころって、親が子どもの服を選ぶのが当たり前のようなものじゃないですか。わが家では、ホストのような格好をすることが、その感覚と同じだったんです。

ただ、美容院に行くときには毎回必ず、「琉ちゃん、今回は髪、何色にする?」と確認していました。そうすると、「このままの色がいい」とか「ミルクティベージュがいい!」などと教えてくれるんです。だから、当時の本人の希望どおりの髪色にしていましたね。ホストっぽい姿で私と一緒に買い物に行くのも楽しんでいたようでした。

――あれから約10年がたち、世間の評価は一変しましたね。今になって「いいお母さんになったね」と言われることに対して、どう思いますか?

ちいめろ 人って、うわさを聞くと、相手のことをそういう目で見てしまうじゃないですか。派手な見た目だし、子どもにホストの格好をさせてるからって、「あの人、子どもを虐待している親やで」と言われたら、そういう目で見てしまうんですよね。だから私も、きっとそう思われていたこともあったと思います。

でも私はずっと変わらずに、自分なりに子どもたちを育てているだけなんです。ただ単に、みなさんの見方が変わっただけですよね。それなのに急に、「ちいめろ、いいお母さんになったね」と言われることは、なんだか違和感ですね。

琉はとくにですが、髪色のことなどもあって昔から目立っていたので、心無いことを言われることもあるかもしれないとは思っていました。でも子どもたちには、「何か言われても、気にしなくていいんだよ!」とずっと伝えてきましたね。

あとは、1年前に出版した書籍のタイトルになっている「人と違うことはいいことなんだよ」ということを、子どもたちにはよく話してきました。でもなぜか2人とも、あまり目立つようなことはしない子に育ってしまって。「まわりに馴染んでなんぼ!」って感じみたいです(笑)

高校生のときからあこがれていた、女の子のママ

――お子さんたちを妊娠されていたころや出産時などで、印象的な出来事はありましたか?

ちいめろ 琉を妊娠する前に、実は妊活をしていました。赤ちゃんが欲しいと思ってから、なかなかできなかったんです。毎月生理が来ちゃって、たまにちょっとでも遅れることがあると「今回はもしかして!」と期待して。でもそのうち、生理が遅れてやってきて、ドーンと落ち込んで・・・。ちょうど同じ時期に妊活をしていた職場の先輩が何人かいたのですが、その先輩たちがそのうちに妊娠していく様子を間近で見ていて、自分だけ妊娠できないあせりで悩んでいた時期もありました。

その後に、琉を妊娠していることがわかったのがクリスマスイブ。サンタさんからのプレゼントかなと思うぐらいに舞い上がったのを覚えていますね。

――2人目も妊活をされたんですか?

ちいめろ 2人目のときは、すぐに妊娠することができました。私、高校生ぐらいのときから、子どもを授かるなら女の子がいいなと思っていたんです。今だから言えることですが、琉が男の子とわかったときは、けっこうショックでした。でも、実際に琉が生まれると、「男の子って、めっちゃかわいい!」となりましたね(笑)とはいっても、やっぱり女の子が欲しいという思いもありました。

ひめちゃんを妊娠して、妊婦健診のときに「女の子ですね」と言われたんです。でも、本当に女の子かどうかは生まれてみないとわからないと思って、ぬか喜びしたくなかったので冷静な気持ちでいました。そして、無事に生まれて先生から、「元気な女の子ですよ」と言われた瞬間に「女の子や〜〜〜〜!!!!!」と思わず叫んでしまいました。第一声が、それです(笑)

それから、当時私はブロガーとして活動していたのですが、ひめの出産で分娩室にいるときに、後から隣の分娩室にやってきて、すごいスピードで私を追い越して出産していった方がいたんです。すると後日、そのママさんがブログにメッセージをくれたんです。私のことを見かけて、「出産のとき、実は隣にいました」って。それがきっかけで、今でも仲のいい友だちになりました。同じ日の同じ時間に、同じ場所で出産した人と友だちになれるって、ブログをやっていると、こんな運命的なこともあるんだな〜と思いましたね。

お話・写真提供/ちいめろさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部

琉くんを有名にするため、またブログのランキングアップのために始めたホスト化計画も、ちいめろさんと琉ちゃろくんにとっては何気ない親子の日常に過ぎなかったよう。周囲からの批判やアンチコメントに対しても屈せずに、自分らしい育児を貫いてきたそうです。そこには、子育てに対するちいめろさん流の考え方がありました。

後編では、シングルマザーでの子育てや、今の家族の関係性について聞いてみました。

関連記事: