むし歯の治療や抜歯後など、補綴物をSETするときの流れを説明します。
歯科治療の準備をしましょう
準備物用途補綴物患者さまの名前と治療部位が合っているか確認する咬合紙赤色・青色を準備コンタクトゲージ必要なサイズのものを用意ストレートハンドピース補綴物を調整するために必要ストレートバー補綴物を調整するために必要セメント補綴物によって変わるためきちんと確認するインレーセッター補綴物をセット時に、奥までしっかりと入れるために患者さまに噛んでもらう器具フロスセメントアウトの時に使用する
歯科治療の流れを把握しましょう
1 準備物の確認(歯科助手)
準備物が合っているか確認します。使用する順番に並べておくとスムーズにアシストできます。特に、補綴物を他の患者さまと間違えていないかしっかり確認してください。
2 患者さまの誘導(歯科助手)
患者さまをユニットへ誘導し、お変わりがないか尋ねる。変化がある場合は、医師へ伝えます。
3 口腔内視診(歯科医師)
口腔内を観察し、変化がないか目視で確認します。
4 仮封の除去(歯科医師)
前回、仮封をして終了した場合仮封を除去します。
5 補綴物の試適(歯科医師)
治療歯に補綴物が合うか確認します。噛み合わせの確認には咬合紙、コンタクトの確認にはコンタクトゲージおよびフロスを用います。
6 補綴物の調整(歯科医師/歯科助手)
必要であれば、ストレートハンドピースとストレートバーを用いて、補綴物を調整します。
歯科医師が調整時、アシスタントは3wayシリンジのエアーで切削粉塵を飛ばし、歯科医師の視界を明瞭することに努めます。また、調整時は摩擦により補綴物に熱が発生するため、3wayシリンジのエアーで冷却も同時に行います。この時、歯科医師の視界を遮らないよう3wayシリンジの位置に注意が必要です。
さらに、切削粉塵を吸引できるよう、口腔外バキュームを歯科医師の手元の近くに素早く移動させる必要もあります。ライトも歯科医師の手元に合わせ、補助に努めます。
調整後、再度口腔内で試適を行うため、ライトを口腔内へ合わせます。場合によっては、この調整と試適を繰り返します。
7 SET(歯科医師/歯科助手)
調整後、SETを行います。唾液の混入を防ぐために口腔内をロールワッテで防湿し、患歯をエアーで乾燥させます。
歯科医師が乾燥させている間に素早くセメントを練和する必要があります。使用するセメントにより、作業時間・硬化時間が異なるため事前に確認しておきましょう。
患者さまの苦痛を最小限にするために、歯科医師とタイミングを合わせて素早く練和することがポイントです。練和後、補綴物の内面に均一になるようにセメントを盛り付け、歯科医師へ渡します。
この時、歯科医師がSETしやすいよう補綴物の向きに注意しましょう。渡す際に、落としてしまわないよう、練和した紙練板の上に補綴物を置いて渡します。
補綴物を歯科医師へ渡し終えたら、インレーセッターを患者さまに噛んでもらい、しっかり奥まで補綴物が装着できるようにします。
8 セメントアウト(歯科医師)
半硬化したあたりで余分なセメントを除去します。探針といった細い器具やフロスで除去を行います。
配信: 医科歯科健診コラム