同行してくれた先輩に誘われ右岸瀬肩へ。
手招きしてくれた先輩は「こういう石の詰まったポイントを狙うと良いよ」と場所を譲ってくれた。そして私に、竿の角度、糸の張り具合などを教えると颯爽と下流へと向かっていった。そのポイントではなんと即掛かりで、引きの強い鮎が掛かった。この〝ポイントを見極める目〟は、私が今一番欲しいものだ(笑)。ありがとう!先輩!
今日の根尾川は渇水気味で、私でも縦横無尽に釣り歩ける状態であった。ポツリポツリと鮎を拾い釣りしながら瀬落ちまでやってくると、仲間たちの姿があった。そこでは、午後になり活性が上がってきたようで相方が25cmオーバーの良型を連チャンするなど絶好調!友人たちも大きく竿を曲げていた。私も珍しく立ち込んで竿を出してみると、なんと今日イチの良型が!へっぴり腰が炸裂してしまったが、強烈な引きの根尾鮎たちに存分に遊んでもらった。
先輩達は下流の荒瀬で28cm程の鮎が掛かったが、ドンブリ多発!大鮎対策用の仕掛けを切るとは、根尾鮎たちのパワーと力強さを思い知らされる。日暮れまで活性の高い状態は続き、気づけば川には私たちのみ。今日1日を余すことなく楽しみ、やり切った!
まだまだ若い根尾アユ健在!足を使いポイントを探ることが数を伸ばす!
そして2日目は漁協から上流に向かったところにある上長瀬ポイントへ。駐車場所に迷っていると地元の方が先導し、丁寧に案内してくれるというなんとも温かい気持ちからスタートすることができた。今日はこのポイントに多くの名手の方が集まっており、彼らの釣技を見ながらの釣りはとても贅沢な時間となった。荒瀬を攻める姿は、まさにメーカーカタログの1ページを見ているかのようであった。
今日も一発大物を夢見て竿を出す。しかし、瀬落ちの深場で即掛かりするも、こちらはおチビちゃん。やはりこの時期、大きな鮎たちはだいぶ降ってしまっているようだ。でもこのおチビちゃん、めちゃくちゃ良い泳ぎをしてくれる。上流ではコロガシの方が入れ掛かりを楽しんでおり、鮎の多さを感じさせてくれた。
瀬肩の浅場では「ここで?」と思うような良型鮎も飛び出し、連チャンもありサイコーな時間を過ごした。名手の先輩たちは今日も足を使い、驚くべき釣果を持ち帰ってきた。この日、先輩からもらった助言「人の3倍歩けば3倍釣れるよ」。これがとても胸に響く。そして今回の釣行では〝見切り〟がいかに大切かということを教えられた。「私よ!もっともっと歩け~!(笑)」。
この日も荒瀬では良型鮎がキャッチされていたが、惜しくも尺には届く個体が釣れることはなかった。しかし、サイズよりも数よりも仲間たちに囲まれての釣り時間は何ものにも代え難い、最高の思い出となったのは言うまでもない。
灼熱の夏を乗り越え、山々から涼しい風が吹き始める頃、鮎釣り師たちはひと夏遊んでくれた鮎たちに感謝し、竿を納める。ここ根尾川では名産の柿の収穫も始まっていた。鮎との別れの時はもうすぐそこまできている。初めて訪れる土地ではあったが、地元の方々の温かい計らいもあり、とても楽しい時間を過ごすことができた。胸一杯に楽しい思い出を詰め込み、またの再会を誓い、根尾鮎たちに別れを告げた。