優希の店主、ワクさん
優希の店主、ワクさんにお話を伺いました。
ワクさんの生まれもご両親の地元も倉吉ですが、
お父さんのお仕事の関係で、18歳まで長崎で暮らしていたそうです。
高校卒業後、長崎から神戸の大学へと進学し、栄養学を専攻。
管理栄養士の資格を取得し、大学卒業後は、高齢者施設をはじめとする様々な事業所に、栄養士として従事していました。
しかし、小さい頃からやりたかったお菓子作りへの情熱が冷めず、栄養士として働きながら、フランス料理・菓子・パンの名門学校「ル・コルドン・ブルー」の神戸校に通い、フランス菓子を学んだそうです。
卒業時に、北野のフランス料理店のシェフから声を掛けてもらったのをきっかけに、そこで働くことになったワクさんですが、休みが少なく、深夜まで仕事をすることもあり、次第に体力面で限界を感じるようになりました。
カフェにはたくさんの自家製発酵食品がずらり
ちょうどその頃、日本を含む世界各地で流行したのが新型コロナ。
ステイホームが求められ、自宅で過ごす時間が増えたことで、以前から興味のあったマクロビオティックについて勉強するようになったワクさん。
マクロビオティックの食事法を学び、加えて発酵食材も食生活に摂り入れるうちに、少しずつ体質が改善されていくのを実感したのだそう。
コロナ禍で人との繋がりが遮断され、改めて家族や友人との関係が大切だと実感したワクさん。
生まれ故郷の倉吉で、自然に囲まれ、笑顔で過ごせる、そんな健康的で安心した生活がしたいと思い、
2023年、神戸から倉吉へ戻りました。
「パティシエって、とっても大変なお仕事なんですね・・・!」
驚く私に、ワクさんはこう言いました。
「確かに大変で、しんどいなと思う事はありました。でも、フランス料理店だけでなく、栄養士や高齢者施設、カフェ、どれも私にとって貴重な学びでした。
頑張って取り組み、そこで得られたことが今の私を形作り、とても大切な経験をさせていただけて感謝しかありません。」
人が集う場所(空間)作りに興味があり、元々カフェをやりたいと思っていたワクさん。
そこでの会話や温かさ優しさに触れ、癒されるのが好きで、カフェをオープンしようと決めたのだそう。
「私が実感した”からだに優しいお料理”を、みなさんにも気軽に楽しんでもらえたら、そんな思いで始めました。」
ワクさんは、こう話します。
カフェの一角に、こんな素敵なタペストリーが飾られていました。
これはワクさんのお母さん(二恵さん)が制作された作品。
二恵さんは、古い着物や帯を使って、立体的な細工「押絵」のタペストリー等を制作する活動をなさっています。今年7月にパリで開催された欧州最大の日本文化イベント「ジャパンエキスポ・パリ」では、多数作品を出展されました。
ワクさんもパリに同行し、会場でヴィーガン シリアルバーを出展したそうです。
現在、山陰合同銀行倉吉支店で二恵さんの個展が2024年11月1日まで開催されています。
良かったら皆さんも足を運んでみて下さいね。
おわりに
ヴィーガン・グルテンフリーと聞いて、ハードルが高く思われるかもしれませんが、気楽に、「今日は和食?中華?ヴィーガン?」みたいに生活の選択肢の一つとして楽しんでいただけたらと、ワクさんは話します。
お料理やお菓子はもちろんですが、
何より「優希」で過ごす心地よい空間と時間を楽しんでいただきたいのが、ワクさんの願いです。
配信: na-na