子どもが欲しい妻に、夫が放った“最低の禁句”。妻は夫以外の子を身ごもり「あなたの子よ」と宣言した|ドラマ『わたしの宝物』

子どもが欲しい妻に、夫が放った“最低の禁句”。妻は夫以外の子を身ごもり「あなたの子よ」と宣言した|ドラマ『わたしの宝物』

「托卵(たくらん)」をテーマにしたドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題の作品を、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

『昼顔』『あなたがしてくれなくても』に続く禁断のドラマ


オンエア前から話題になっていたドラマ『わたしの宝物』が始まった。これは、過去大きな反響を呼んだ不倫がテーマの『昼顔』、セックスレスをテーマにした『あなたがしてくれなくても』に続く、禁断に挑むドラマ第三弾といってもいいかもしれない。

今回のテーマは「托卵」である。夫以外の子を産み、夫には知らせないまま家庭を維持して夫とともに育てていく「托卵」は、今、世間で話題にもなっている。もともとはカッコウなどの鳥類が、他の巣に卵を産みつけて、その巣の主にヒナを孵(かえ)させる行為だ。

「暇だから子ども欲しいんだろ」と言い放たれて

神崎美羽(松本若菜)は、夫の宏樹(田中圭)と結婚して6年たつ。もともとは仕事が好きだったのに、夫の希望で専業主婦となったが、「私が叶えた夢は文鳥を飼うことくらいかな」と言うほど、張りのない鬱々とした日々を送っている。鬱々としているのは、夫のモラハラが大きな原因だ。

夫が夜中に連れてきた同僚の名前を間違えて「いいかげん覚えたら?」と言われたり、夫の忘れ物を届けたら「遅い」と怒られたり。あげく、子どものことを真剣に考えようと提案すると「美羽さあ、暇だから子ども欲しいんだろ」とまで言われる始末。いちいち気持ちを切り替えて、なんとか夫に明るく接しようと必死になっている妻に対し、「笑うなよ」と笑顔さえも否定する夫。

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見ていてムカムカするような絵の連続である。実際にモラハラ夫に苦しめられて離婚した知人女性は「あの頃が思い出されて、胸が苦しくなった」と話してくれた。

ただこの夫、妻に無関心なのかといえばそういうわけでもない。支配欲が強いのは確かなのだが、やたらと外面がいいということを考え合わせると、彼は彼で、相当大きなトラウマを抱えているようにも見える。

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