「胃がん・スキルス胃がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

「胃がん・スキルス胃がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

胃がん・スキルス胃がんになりやすい人の特徴

スキルス胃がんの原因ははっきりとしたものがわかっていません。しかしスキルス胃がんと胃がんになりやすい人には、いくつかの共通点があります。

ピロリ菌感染者

ピロリ菌は、胃の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、胃がんのリスクを高めます。ピロリ菌感染は、胃内視鏡検査や血液検査、尿素呼気試験などで判定を行います。胃がん検診などでピロリ菌の感染が疑われた場合には、お近くの消化器科で除菌治療を受けましょう。

濃い味付けを好む人

塩分の多い食事は胃の粘膜が傷つき、胃炎が発生し、胃がんのリスクが上がると考えられています。伝統的な日本食である漬物や塩蔵の魚卵や塩辛などの塩分の濃度の高い食品を毎日食べるような極端な食生活は控えましょう。受診の必要性はありませんが、普段から減塩を心がけましょう。

喫煙者

喫煙が胃がんのリスクになることがわかっています。タバコに含まれる発がん性物質が、胃の粘膜を傷つけ胃がんの発生に関わります。必要時は禁煙外来の受診を検討しましょう。

過剰な飲酒をする人

過剰な飲酒は胃がんのリスクを高めます。アルコールは、胃の粘膜を刺激し、炎症を引き起こす可能性があります。

胃がんの家族歴がある人

一般的な胃がんでは家族歴があると罹患リスクが高いことがわかっています。親族に胃がんの方がいる場合は積極的に検診を受けましょう。検診を受ける場合は、地方自治体が行っているものや、消化器科クリニックを受診しましょう。

胃がんの治療歴がある人

過去に胃がんで内視鏡治療や胃切除術などの既往がある人は、胃がんのリスクが高くなります。手術後も定期的な内視鏡検査をするのがおすすめです。

胃がん・スキルス胃がんの代表的な症状

腹部膨満

胃がんがお腹の中にばらまかれた状態を腹膜播種といいます。腹膜播種が起こるとお腹の中に腹水が溜まり、治療しなければ量が減ることはありません。結果として、食事とは関係なく常にお腹が張る症状がでることがあります。腹部膨満の症状がある時は近くの内科や女性なら婦人科を受診しましょう。

食べ物のつかえ感・嘔吐

胃がんによって胃からの食物の排出ができずに食事がつかえて、嘔吐してしまうことがあります。胃の通りは徐々に悪くなるのが特徴的です。この症状が胃がんによって出現した場合は、ある程度進行した胃がんやスキルス胃がんの可能性があります。つかえ感や嘔吐の症状は良性疾患でも出る場合があるので、気になる症状がある場合は消化器内科を受診しましょう。

下血・黒色便

胃がんがあると粘膜から出血が起こりやすく下血・黒色便の原因となります。特に胃・十二指腸からの出血は胃酸によって血液が酸化され黒い色がつくため、黒色便として排出されるのが特徴です。大腸からの出血や痔などでも便に血が混じることがあります。下血や黒色便が出た場合には、消化器科をすぐに受診しましょう。

胸焼け・胃もたれ

胃がんの症状として胸焼け・胃もたれを感じることがあります。これは、胃がんによって胃内容物の停滞が起こっていたり、胃酸の逆流を引き起こしたりしている場合があります。これらの症状があるからといって必ずしも胃がんとは限りません。自己判断せず、消化器科を受診して検査を受けましょう。

貧血

がんからの出血や、がんによる栄養吸収の障害によって、貧血が起こることがあります。これらの症状は、胃がん以外の病気でもみられることがあります。しかし、これらの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

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