「弱視」を疑うべき症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

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弱視の治療

弱視の主な治療方法は以下があります。

屈折異常の矯正

健眼遮蔽法(アイパッチ療法)

アトロピンペナリゼーション療法

その他、白内障や眼瞼下垂、角膜混濁といった目の構造に問題がある場合は、それぞれに応じた治療を実施します。

屈折異常の矯正

眼鏡やコンタクトレンズを装着して、近視や遠視、乱視を矯正する方法です。

目の状態に合った矯正器具を使うことで、網膜に鮮明な像を結べるようにします。

脳が正しい視覚情報を受け取ることで、弱視の改善につながります。

健眼遮蔽法(アイパッチ療法)

健眼遮蔽法(けんがんしゃへいほう)は健眼(弱視でないほうの目)をアイパッチで隠し、弱視の目を日常生活で使う方法です。

弱視の目だけで物を見るように訓練することで、視力の発達が期待できます。

1日のうちで実施する時間や健眼遮蔽法を継続する期間は、目の状態によって決めます。

アトロピンペナリゼーション療法

健眼にアトロピンを点眼して目の調節力を麻痺させ、積極的に弱視の方の目を使わせる方法です。

健眼遮蔽法(アイパッチ療法)ができない子どもへの治療で効果が期待できます。

弱視になりやすい人・予防の方法

弱視になりやすい人は以下のような特徴があります。

家族に弱視の人がいる

早産や出生体重が軽い状態で産まれた

弱視や斜視、強度の近視や遠視、乱視などの目の疾患を抱えている人が家族のなかにいる場合、遺伝的な理由で弱視のリスクが高くなります。

早産や出生体重が軽い状態で産まれた子どもも、目の機能が未発達な状態で産まれてくることが多いため、未熟児網膜症のリスクがあり、弱視につながる可能性があります。

これらをふまえて、弱視の予防のためには以下のことに気をつけましょう。

定期的に眼科検診を受ける

日頃から子どもの様子を観察する

近視や遠視、乱視などの治療を継続する

1歳6か月健診や3歳児健診などは必ず受けて、目の発達に異常がないか調べましょう。

定期的な眼科検診以外でも気になることがあれば、早めに眼科医へ相談することをおすすめします。

子どもの目つきや眼球の動き、物の見方なども日頃からよく観察するようにしましょう。

すでに近視や遠視、乱視の治療をしている場合でも、眼鏡やコンタクトレンズを適切に使用し、経過観察を受けることが大切です。

関連する病気白内障

眼瞼下垂症

角膜混濁症

未熟児網膜症

参考文献

日本弱視斜視学会「弱視」

日本小児眼科学会「弱視」

佐藤美保「弱視研究の新たな波」浜松医科大学医学部眼科学講座

佐藤美穂「弱視治療」浜松医科大学眼科

公益社団法人日本視能訓練士協会「3歳児健診の視覚検査」

公益社団法人日本眼科学会「こどもの斜視」

久保田伸枝、臼井千恵「斜視弱視のアトロピン療法における遮閉弱視の発現」帝京大学医学部眼科学教室

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