「うちは大丈夫!」と言われたら? 詐欺や強盗から実家を守るための親子間コミュニケーション術

高齢者をねらった犯罪は増える一方。ニュースで耳にするたび、離れて暮らす親が心配…というかたも多いのでは?
防犯対策を万全に行ってほしいものですが、「うちは大丈夫!」「必要ない!」と、なかなか防犯グッズを取り入れてくれないという声もよく耳にします。

そこで今回は、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんに、親の防犯に必要なコミュニケーションについてお聞きしました。
大切なのは、親のプライドを尊重すること。丁寧にコミュニケーションを重ねて、無理のない導入を!

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▶︎教えてくれたのは
太田差惠子さん
介護・暮らしジャーナリスト。老親介護の現場を数多く取材。雑誌やテレビを通じて、離れて暮らす親のケアや高齢者住宅などの情報を発信している。最新刊に、お笑いコンビ「メイプル超合金」安藤なつさんとの共著『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA) 。

大切なことだからこそやり取りも丁寧に

「防犯対策を行なう際には、親のプライドを大切に」と話すのは、離れて暮らす親のケアに詳しい太田差惠子さんです。
「子どもは親が心配だけど、親はまだまだ自分は大丈夫だと思っている。なのに強引に防犯対策をすすめられると、親としてはプライドが傷つくわけです。『お父さんやお母さんに落ち度はないけれど、今はだまそうとする人が多いからこういうものを取り入れてみたら?』と伝えれば、親のプライドも保たれ、素直に受け入れてくれるはず」
また親の様子を確認することも、防犯に役立つそう。
「判断力が衰えると詐欺に遭う確率は高まります。判断力に不安はないか、親の言動にも目を配ってくださいね」

コミュニケーションの基本は「話しやすさ」&「冷静さ」

■「お母(父)さんが悪いんじゃなく最近の詐欺が悪質だから」という

防犯について話すときは、「あくまでも悪いのは犯罪者。お父さんとお母さんは悪くない」というスタンスを忘れずに。「『だから何か気がかりなことがあったら知らせてね』と伝えておけば、親も話しやすくなります」

■分かってもらえなくても危機感がなくても怒らない

防犯の大切さを説明しても、「子どものいうことなんて」と素直に聞き入れない親も多いよう。「そこで怒ってしまうと、犯罪に遭ったときにも『怒られる』と思って口をつぐんでしまいます。親との会話は常に冷静に」

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