10月27日の衆院選では、最高裁裁判官の国民審査も同日に行われます。最高裁裁判官15人の中から、前回衆院選以降に任命された6人が対象となります。
選挙に比べて、機会の少ない国民審査ですが、改めてどのような制度なのか整理しました。
●「✕」が過半数→その裁判官は辞めさせられる
国民審査とは、最高裁判所の裁判官が、裁判官としてふさわしいかどうかを国民が判断する制度です。
国民審査は、衆議院議員の選挙と同じ日に、同じ会場で行います。衆議院議員の選挙の投票箱と、国民審査の投票箱が並んでいて、順に投票する流れです。
会場では、裁判官の名前が一覧表のようになっている用紙を渡されるので、その紙の名前の上にある欄に「✕」をつけます。
「✕」が過半数だった場合には、その裁判官は辞めさせられます。
●用紙に「◯」は書いてはならない
一つ注意が必要なのが、「◯」をつけてはいけない、という点です。
やめさせたい裁判官に「✕」をつける、というルールですので、逆にやめさせない裁判官には、つい「◯」をつけたくなります。
しかし、「✕の記号以外の事項を記載したもの」を「無効とする」という規定があります(最高裁判所裁判官国民審査法22条1項第2号)。
「◯」を書くとその用紙は無効になってしまいますので、決して◯を書いてはいけません。
やめさせようと思っていない裁判官については、「何も書かない」が正解です。 同法15条1項で、「罷免を可としない裁判官については投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何らの記載をしないで、これを投票箱に入れなければならない。」と定められています。
配信: 弁護士ドットコム