「まだ人を好きになる感情が残っていたんだ」
――映画館の初デートで距離が縮まり、交際がスタート。でも、結婚までは考えられなかったそうですね。
えみ:かいちゃんは受け入れてくれたけど、当時、私は42歳のシングルマザーでしたし、私と付き合って「かいちゃんのご両親がどんな思いをされるんだろう」と、迷いがあったんです。結婚しても出産できる年齢ではないし、かいちゃんの周囲にいる人を悲しませるわけにはいかないと、常に思っていました。
――恋愛や結婚においては、ためらいもあったのでしょうか?
えみ:子どもたちを育てるために、とにかく必死だったんです。一生懸命に稼いで、経済的な余裕を持てないと子どもたちの将来の選択肢を狭めてしまうと焦りもあって。当時、信頼していた上司からは「今が頑張りどきだよ」と励まされていました。かいちゃんに今も「当時は仕事のことばかり考えていたよね」と言われるほどだったんです。
でも、勇気をもって付き合いはじめてからは、仕事人間だった私にも「まだ、人を好きになる感情が残っていたんだ」と気が付いて、子育ても仕事もよりいっそう頑張れるという、充実感も得られました。
かい:交際がスタートしてからは毎回、別れ話になっていたよね。えみからはよく「子どもが産めへんから」とか「親に孫を見せられへんから」と、話を聞いていたんです。そのたびに僕は「親は子どもの幸せに一番に考えてくれるって」と返して、説得していました。
頼もしい息子からの一言「お母さんが幸せやったら」
――6年間の交際中には、えみさんのお子さんとかいさんが初めて対面する機会も。かいさんの緊張もひとしおだったのではないですか?
かい:めちゃくちゃ緊張しました(笑)。特に、当時中学2年生だった息子に会うのが緊張して、9歳差で年もわりと近かったし、僕みたいな「金髪の一見イカつい男が突然やってきたら、どう思うんだろう」と不安もあったんです。実際、会ってからはろくな会話ができずに、目の前にエビの入った料理があったので「エビは大丈夫ですか……?」と、気を遣いながらボソッと話しかけるぐらいしかできなかったです。
えみ:でも、息子は初対面の前からすでに、かいちゃんを認めてくれていたんです。息子に「お母さんのこと、好きって言ってくれている子がいるんよ。でも、21歳も年下の金髪の子で」と相談した日があって、そこで「あかん」と言われたら、あきらめようと思っていました。
でも、息子は「オレの人生じゃないから、お母さんが幸せやったらいい」と言ってくれたし、かいちゃんが自宅が近所にあったので「仕事にも一緒に通えるやん」と明るく返してくれて、背中を押されました。
配信: 女子SPA!