●「誰かに気付いて欲しかった」
Aは仕事に没頭するが、被告人と業務上接することは避けられず、フラッシュバックに苦しめられるようになる。
2019年、被告人は職場に事件を告げずに退職をすることとなった。退職時、対面を希望されたため、Aは性的暴行の理由を書面で求めた。
被告人直筆の文面の中には「公になれば私は生きていけない、自死を考えている」「検察庁に大きな非難の目が向けられ、業務が立ち行かなくなる。総長の辞職もありえる」「私のためでなく、あなたの愛する検察庁のため告発はやめてください」などと書かれており、検察庁が誹謗中傷にあうと考えると、被害申告はできなかった。
その後、Aは「誰かに気付いて欲しかった」という思いを持ちながら仕事に没頭したが、被告人がAの思いも知らず検察庁の人間といまだに食事など関係を継続していることを耳にした。
それを聞き、心身に大きな不調をきたしたが、性被害を受けたのに自身が辞めるのは嫌だと、仕事を続け、上司に自分の身にあったことを伝え事件が発覚した。
次回公判期日は未定で、検察官の追加の証拠調べ、弁護側立証が行われる予定だ。
配信: 弁護士ドットコム