「どんな大都会でも背景に山を置いたら途端にのどかになる」
2024年10月15日、X上でそんな〝説〟が提唱された。
投稿者は、千葉県北西部のまちで、総武線沿いかつ都営新宿線の終点にあたる「本八幡」(市川市)の情報を発信するアカウント「本八幡bot」(@motoyawata__bot)さん。
呟きには、こんな画像が添えられていた。
駅からまちを撮影した写真。立ち並ぶビルの隙間から、青々とした山が覗いている。
これは、実際の本八幡駅からの風景とは、少し違う。
本来の景色は、こんな感じだ。
そう。本来、そこに山などはない。
本来は、奥へ奥へと続く道と建物、それから空が見えるだけである。
冒頭の画像は、本八幡botさんが本八幡の背景に山の画像を合成したモノだ。
本八幡botさんは本八幡駅のほか、市川駅、ニッケコルトンプラザ、下総中山駅……などなど、市川市の風景に山を合成した写真群を披露。その投稿には、合計5700件以上のいいね(25日夜時点)の他、こんな声が寄せられている。
「謎の安心感……」
「空気がおいしそう」
「逆に田舎でも山を消せば都会に見えてくる説」
「謎の関西感」
「マジでただの関西」
「街の背後に山があると安心する関西人あるある」
「神戸民だけど地元かと空目しました」
「神戸線の芦屋〜兵庫感」
「三宮じゃねーかどこが本八幡だよwwwって思ってたらほんとに本八幡だった…」
……おやおや? のどかじゃなくて、兵庫県説が出てきちゃってるな?
寄せられた〝あるコメント〟に「やってやったぜ」
「本八幡bot」さんは、Xで千葉県の本八幡のことばかり10年ほど発信し続けている本八幡民。その活動が認められ、21年11月には市川市観光協会特別PR担当に任命された人物だ。
18日、Jタウンネット編集部の取材に応じた本八幡botさんによると、市川×山を合成しようと思ったのは、渋沢駅(神奈川県秦野市)の景色を見た経験がきっかけだった。
「駅前の風景が本八幡と違っていてのどかさを感じ、この違いは何だろうと思ったら山でした。
それなら逆に本八幡の背景に山を置いたらどうなるだろうと思ったのがきっかけです」(本八幡botさん)
複数の山の素材を用意し、「どれがしっくりくるか」検証しながら画像を作成。「楽しかったですね」とその作業を振り返る。
「僕はツイッターを始めた当初から『大都会本八幡』と言い続けているのですが、10年目にして初めて真逆のことをやったなと思いました」
「『本八幡が大都会?』というコメントが大量に来たのもやってやったぜという感想です。(笑)」(本八幡botさん)
関東民・関西民から真逆の感想!?
反響で面白かったのは、「○○みたい」と日本各地の地名が出てきたこと。
やはり、神戸・三ノ宮が多かったという。
ちなみにこの記事を書いているJタウンネット記者は、千葉県北西部在住・兵庫県南西部出身。
関西の風景に似ているという意見に、深く頷いた。
山が合成された市川市の風景は、日頃見ている風景とは違うのに、なんだか懐かしい。違和感と郷愁が同時に襲ってくるような、不思議な感覚だ……。
当初は思いもしなかった感想が寄せられ、本八幡botさんは他の地域からすれば「背景に山がない風景」がむしろ珍しいということに気付いたという。
「関東民からは驚き、関西民からはあるあるという真逆の反応が来て面白かったです」
「まさかこんな形で関東平野の圧倒的な広さを知ることになるとは…。多くの方に楽しんで頂けてとても嬉しいです!」(本八幡botさん)
そう言えば2021年には、関東平野が平らすぎて群馬・鳥居峠からスカイツリーや東京タワーを見通せると話題になったこともあった。
関東平野って、平らで広すぎ……。
配信: Jタウンネット
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