シンプルなコーデは、重ね着がポイント
――Tシャツ1枚で何とかしようとしないで、重ね着を活用することが大切なんですね。
おかだ:シンプルなスタイルのときは、1枚で隠そうとすると丈が長いTシャツにするか、下半身をカバーできる太めのパンツを履くかなので、極端になりがちなんです。色展開や、服の組み合わせの自由度を増やすためには、羽織りものを活用するのもいいと思います。例えば、シアー素材のブルゾンなどを羽織るとムチムチ感が消えるし、腰に巻いたりして気になる部分をカバーするのに使えます。
――ボトムスの選び方はどうすればいいでしょうか。
おかだ:動きやすさ重視でピッタリしたパンツが履きたいのであれば、黒を選ぶといいと思います。白パンツは光と影の関係で、太もものムチッとしているところや、膝のたるみが映りやすいんです。黒だと、陰影ができにくいので足が比較的まっすぐに見えます。ふとした瞬間に写真を撮られても大丈夫だと思えるような、心の平穏を守れるアイテムを率先して選ぶことが大事だと思います。
――他にも、カジュアルスタイルのポイントはありますか?
おかだ:帽子やボディバッグ、靴などの小物を効果的に使うことで、スタイルアップができます。黒のパンツと黒のスニーカーを合わせて脚長効果を狙ったり、帽子やボディバッグを含めて黒で統一すれば縦長な印象になります。1つのアイテムに頼るのではなく、全体のトータルバランスを重視してほしいです。
服を買う前に、まずコレを買え!
――トータルバランスをチェックするためには、家を出る前に全身を鏡で見ることが大切なのでしょうか?
おかだ:帽子やバッグなどの小物を身に付けて全身のバランスを見るのは、必須だと思います。洗面台の鏡で上半身しか見ていなかったり、お腹の部分だけを見て「隠れてるからOK!」と思ってしまいがちです。それだと、外に出てお店のウィンドウに映る自分を見てげんなりすることになってしまいがち。できれば靴も履いた状態で家でチェックしておけば、そういう失敗は無くなると思います。
きびの:ゆりさんに初めてコーディネートしてもらったとき、最後に厚底サンダルを履かせてもらったら印象が大きく変わって感動したんです。自分では上半身をチェックしてはいたのですが、靴まで履いて鏡を見ることはありませんでした。
でも全体のバランスが大事なんだと分かったので、今では帽子も靴も全部身に付けた状態で鏡を見るようにしています。よく、玄関の靴箱に鏡が付いていることがあるので、あそこでチェックするといいんじゃないかと思います。
おかだ:細めのものや、立て掛け式の全身鏡なら2000円くらいで買えるので、それを玄関の近くに配置することから始めるといいと思います。あれこれ服を買う前に、まずは全身鏡を買ってください!
――最後に、体型が原因でオシャレに悩みを抱えている方にメッセージをお願いします。
きびの:私の友達にこの本が出ると言うと、「こっそり読むね」と言われることがあるんです。恐らく、「太ってるのに痩せられないから読む本」だと思われているのかもしれません。でも、今の自分が恥ずかしいから隠すために着痩せをするのではなくて、今の自分のまま堂々とオシャレを楽しむための本なんです。毎日服を着るのが楽しくなると毎日が確実にハッピーになります。ゆりさんのオシャレのアイディアがたくさん詰まっているので、ぜひ一度読んでみてほしいです。
おかだ:「着痩せ」というワードは、コンプレックス産業だと思われがちなんです。「オシャレしたいなら、痩せるほうが早いでしょ」と言ってくる人もいます。でも、体型に悩んでいる方がオシャレしたいと思って検索したときに、私の発信している情報につながりやすいワードだと思って使っています。この本には、すぐに試せるアイディアを載せているので、ぜひ活用してほしいです。
衣食住の中では、服は外に出ても自分にずっと付いてくるという意味で、その人そのものだといえると思います。だからこそ、「どうでもいい」という気持ちではなく、自分自身を表現したり、幸せにしたりするために服選びをしてほしいと思います。
<取材・文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
配信: 女子SPA!
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