心が前を向く言葉の数々に反響の嵐!SNSで話題の『天才じゃない私たちが輝くために』著者インタビュー

目標設定は低くても継続することが大切

――美術教師と画家、先に始められたのはどちらですか?

夏目にーにさん:教員免許は親から取れと言われたので一応取りましたが、本心は「画家のみで活動していく!」でした。絵を教えて生活の糧を得ながらも、軸は作家活動だったので、気持ちの上では画家が先です。

――では、兼業されることになったきっかけは何だったのでしょうか?

夏目にーにさん:ある方から中学校の非常勤講師の話をいただいて、初めは生徒のためというより生活のために始めましたが、数年たってから若い学生達に教える魅力に目覚めて専任の教師を目指すようになりました。非常勤講師は授業でしか生徒と関わりがなかったので、担任などになって生徒としっかり向き合いたいと思ったのを覚えています。

――現在は漫画家としても活動されていますね。3つの職業を両立するのは簡単なことではないと思いますが、バランスを取るための秘訣は?

夏目にーにさん:「今日はまず一コマだけでもネームを描く」と、目標設定を低くして早めにやってしまうことがコツです。一度やりだせば、次やる時のハードルも低くなるので、時間がなくても意外に何とかなります。1週間に1度、新作をアップするのがルーティンですので、すごく忙しい時や、体調を崩した時とかは、ページ数を少ない話にするとか、とにかく目標設定を低くして続けることが大切だと思っています。

あとは、酒を極力飲まない、睡眠をしっかりとるなど、体調面はすごく気を使っています。教師の仕事が終わっても、創作に向かえるような気力体力は残すようにしています。

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描いた漫画をSNSで発信することで、モチベーションを上げているという夏目さん。先生と画家、漫画を両立するためのコツも教えていただき、とてもタメになりました。作中で生徒にアドバイスしている内容とも連動していて、ご自身も実践していることが伺えます。

取材・文=松田支信

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