想像してたんと違う…!長崎の天ぷらは衣が厚い!?意外に知らない「天ぷら」の“地域差”

想像してたんと違う…!長崎の天ぷらは衣が厚い!?意外に知らない「天ぷら」の“地域差”

意外に知らない「天ぷら」の地域差

 香ばしく揚げられたサクサクの「天ぷら」と言えば、小麦粉を主体とした薄めの衣をまとっているのが定番。しかし、地域によってはフリッター状の厚い衣がついたものを「天ぷら」と呼ぶ所もあります。意外に知らない、天ぷらの地域差とは?

 長崎県で食べられている「長崎天ぷら」は、衣に砂糖などの調味料が加えられた「フリッター」によく似た郷土料理です。南蛮貿易で来ていたポルトガル人が食べていたフリッターが原型と言われていて、衣に味がついているため天つゆや塩などをつけずにそのまま
食べられるそう。

 県外の人には「これが天ぷら?」と驚かれそうですが、長崎県では「伝統ある郷土料理」ということで、地元で取れる魚を使った「長崎天ぷら」が給食の定番メニューとなっています。

 また、関東と関西でも「天ぷら」の作り方が異なることをご存知でしょうか。関東では天ぷら粉に卵を入れるのが一般的。卵が入ることでサクサクとした食感になります。一方
、関西では卵は入れず、小麦粉と水のみで揚げるためふんわりとした揚がり具合に。揚げる油も関東はゴマ油、関西はサラダ油を使うなど違いがあります。

 卵の入った衣をつけてゴマ油で揚げるため、関東風は“こんがりきつね色”。関西風は薄い衣でサラダ油で揚げるので“白っぽく軽い仕上がり”に。さらに食べ方も、関東では「天つゆ」がメインに対して関西では「塩」で食べるのが主流です。

 なぜこれほどの地域性が生まれたのかについては、関東と関西の食文化の違いとの説が有力のよう。関東地方では元々魚系の天ぷらが多かった背景から、魚の臭みを消すためにゴマ油で揚げ、濃いめの天つゆで食べるようになったそうです。片や、関西地方の天ぷら
は野菜中心。素材の味を生かすように、あっさりとした衣に塩で食べるのがメジャーになったと言われています。

 また、青森では「南部せんべい」、大阪は「紅生姜」、沖縄は「もずく」など、作り方だけでなく中の具を見ても地域性が分かれる「天ぷら」。

余談ですが、京阪、四国・中国や九州では揚げかまぼこのことを「天ぷら」とよく呼ばれます。東日本でも北海道や青森県では「天ぷら」と呼ぶ人が多いとか。「今日のおかずは“てんぷら”」と言われて、えび天やかき揚げを想像すると、違うものがでてきてびっくりするかもしれません。

 旅先などで、ご当地天ぷらを探してみるのも楽しいかも知れませんね。

(LASISA編集部)

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