この夏、『地面師たち』(Netflix)と『新宿野戦病院』(フジテレビ系)という話題を集めた2作品で、唯一無二の存在感を放った小池栄子さん。
一昔前の彼女を知っている世代からすれば、“バラエティスキルの高いグラドル”というイメージだったでしょうが、若い世代からすれば“番組MCもできる個性派俳優”というイメージになるのではないでしょうか。
今回は年間・約100本寄稿するドラマ批評コラム連載を持つ筆者が、小池栄子さんのこれまでのキャリアを振り返りつつ、『地面師たち』と『新宿野戦病院』での演技の魅力について紹介していきます。
グラドル時代の“とんでもないキャッチフレーズ”
小池さんが民放GP帯(ゴールデン・プライム帯)の連続ドラマ初主演を飾ったのが、1年前となる2023年10月期ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)でした。20代で主演の座を射止める女優が多いことを考えると、当時42歳だった小池さんは女優としては遅咲きと言えるかもしれません。
17歳のとき、「宇宙一のメロンパイ」というキャッチフレーズを引っ提げてグラビアデビューした小池さんは、頭の回転の速さと切れ味鋭いコメント力でバラエティ番組に引っ張りだこになっていきます。
名演・怪演を重ね、今年の2作品でさらに評価を高めた
俳優業で評価されはじめたのは2000年代中頃から。2003年の映画『恋愛寫眞 Collage of Our Life』や2004年の映画『下妻物語』などの演技が評価され、2008年には主演映画『接吻』にて、ニュースで観た殺人鬼に惹かれて獄中結婚する常軌を逸したヒロインを怪演。「ヨコハマ映画祭」などで主演女優賞を受賞しました。
2014年の連続テレビ小説『マッサン』や、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』といったNHKの国民的ドラマ枠への出演も重ね、昨年、満を持して『コタツがない家』でGP帯連ドラの初主演。
そんな小池さんが今夏、『地面師たち』と『新宿野戦病院』でさらに俳優としての評価を高めたのです。
配信: 女子SPA!