「運動は朝にしたほうがいい」と聞いたことはありますか? 運動はその目的によって、朝にした方が良いタイプ、夜にした方が良いタイプに分かれます。しかしダイエットや体内リズムを整えたい人、睡眠の質を高めたい人には、朝運動するのがおすすめです。朝の運動が体にいいとされている理由を、看護師免許を保有する筆者が解説します。
人は寝ている間は副交感神経が優位に働いており、目覚めに近づくごとに交感神経が優位となっていきます。交感神経は体を活動的にする働きがあるため、朝に運動することで血の流れをよくし、基礎代謝を高めることができます。基礎代謝があがるとさまざまな効果が期待できます。
起床直後の体の仕組み
朝に起こる体の変化には、自律神経が切り替わる、朝日を浴びることで脳が覚醒する、などがあります。先述の通り、朝になると自律神経は副交感神経優位から交感神経優位へと変化し、目覚める準備を始めるので、朝に運動を取り入れることで交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、自律神経のバランスを保つことにつながるため、朝の運動は体の機能にとって重要だとされているのです。
朝日を浴びることは、メラトニンという睡眠に関係するホルモンの分泌を抑える効果があり、脳の覚醒を促します。朝起きてすぐは脳にとっての「ゴールデンタイム」と呼ばれるほど、最もいい時間です。脳は1日を通してあらゆる情報が入ってくるため、脳がリセットされている朝の時間が学習には最適と言われています。
朝に運動を取り入れることは、脳の血流を促すことにつながるため学習能力のさらなる向上に役立ちます。起きて朝日を浴びると体内リズムを整える効果もあるため、朝の運動を取り入れることでより良い活動状態をつくることができるでしょう。
朝に運動することは、主に4つの効果が期待できます。
ダイエット効果:朝に運動することで交感神経が活発になり、血流が促進されます。血流の流れが良くなると基礎代謝アップにつながり、脂肪燃焼効果が期待できるためダイエット効果が得られます。朝の運動には有酸素運動の一つであるウオーキングがおすすめです。
集中力・判断力の向上:血流が良くなるということは、全身や脳への巡りも良くなるため、集中力や判断力の向上につながります。家事や仕事、学習において、集中力や判断力は必要不可欠です。1日の中で最も効果的な朝に運動することで、効果を最大限発揮し、一日を効率的に過ごしましょう。
体内のリズムが整う:朝日を浴びると幸せホルモンの一つであるセロトニンの分泌を促すとともに、体内リズムを整える効果があります。
1日の時間を有効に使える:1日の始まりである朝は脳もリセットされている状態のため、さまざまな情報が入りやすいです。夕方や夜になるにつれ脳は次第に疲れてくるため、朝の時間を活用することで、有効な時間につなげることができます。朝の時間を、勉強などに充てるのもおすすめです。
副交感神経と交感神経の切り替えがうまくいかないと1日を通して疲労感を感じたり、寝た気がしないといった状態につながる恐れがあります。朝に運動することは副交感神経と交感神経の切り替えをスムーズに行うことに繋がるため、最も効果的といえます。
さらに体内リズムを整え、運動習慣が身につくと睡眠の質向上にも繋がるため、効率的です。
朝の時間を活用し運動を取り入れることは交感神経を優位に働かせる上、自律神経のバランスを整えることにつながるため、1日を効果的に過ごすことができます。朝に運動を取り入れることで体内リズムを整えたり、集中力や判断力が向上したり、ダイエット効果をもたらします。
朝の運動を習慣化していくことで、生活リズムも整い体に良い効果を与えるためおすすめです。ぜひ朝の時間に、少しずつでも運動を取り入れてみてください。
(じゅんな)
配信: LASISA
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