「妙にクセになる」 カラフルな詐欺防止動画がバズる 制作した広島県警の巡査部長「作るのに必死だった」

「妙にクセになる」 カラフルな詐欺防止動画がバズる 制作した広島県警の巡査部長「作るのに必死だった」

広島県広島市の安佐南(あさみなみ)警察署に勤務する1人の巡査部長が制作した約1分の動画が話題になっている。

動画はSNS型詐欺の防止を呼びかける内容だが、ぎこちない様子で踊る警察官のダンスにピンクやイエローの派手な光が合成されており、ネット上では「妙にクセになる」などの書き込みが相次いでいる。

●特殊詐欺の防止、「事前に手口を知ることが最大の対策」

制作したのは、安佐南署の巡査部長、鑑原和葉(かんばら・かずは)さん(42)。特殊詐欺の防止などに取り組む生活安全課に勤務しており、日ごろから学生や働く社会人に対する効果的な広報に難しさを感じていたという。

特にSNSを通して関係を深め金銭をだまし取る「SNS型詐欺」は、本人にスマホ1台あれば家族などの身近な人が全く気がつかないうちに被害に遭う恐れがあるため、事前に手口を知ってもらうことが最大の対策になる。

問題は警察の注意喚起をいかに市民に届けるかだった。

●合成を繰り返すうちに動画が完成

そこで鑑原さんは今年8月、啓発動画をSNSで発信してはどうかと思い立った。まず詐欺師がよく使う勧誘文句などを散りばめた歌詞を地元の保育園児に歌ってもらい、署の警察官が踊るダンスの映像に合わせることにした。

だが、警察官のダンスを警察署の周辺4カ所で撮影したものの、後で映像を確認するとピントが大きく外れているものを発見。撮り直す時間がなかったため、合成の加工をすることに。

すると今度は、動画全体のバランスが悪いと感じ、別のシーンに虹色の加工を入れるなどしているうちにできあがった。

「最後まで見てもらうためにあきないような内容にしたかった」と振り返る鑑原さん。ダンスは「練習しなくてもすぐに踊れるものを」と、ディスコダンスの振付を参考にしたという。

私有のパソコンとスマートフォンで編集をし、約2カ月で完成させた。制作途中からは「動画を作るのに必死で、ヒットするかしないかとかは考えていなかった」と笑う。

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