センスよく暮らしたい、おしゃれだと思われたい、そう考えている方はたくさんいると思います。でも、センスっていったい何で、どうやったら身に付くのでしょう? 『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社)は、50種類の仕事、約50か国を旅してきた作家・有川真由美氏が「センスいいな」と思った魅力的な人のこと、感性を磨くためにやってきたことを満載した1冊です。 今回はその中から、センスがいい人がしていた「作法」についてご紹介します。マネしやすいことばかりなので、日々の生活に取り入れてみるのもいいかもしれません。
※本記事は有川真由美著の書籍『センスいい人がしている80のこと』から一部抜粋・編集しました。
手土産は、ひいきの和菓子・洋菓子屋
手土産ほど、センスのよし悪しが出るものはないでしょう。
編集者というのは、仕事柄、贈り物をする機会が多く、情報通だからか、ほんとうにセンスがいい。いただくのはテレビや雑誌で話題になっている有名店の新ブランドや、高級ホテルの限定クッキーなど、「さすが、ひねりが効いていますね」という品々。かつて私が「チョコを常備している」と言ったことを覚えていて、プロ並みに美しい手作りのオレンジピールをいただいたときは、感動して泣けてきました。
いい品であることはもちろん、相手を思う気持ちが伝わり、「こういうの、欲しかった」と喜んでもらえてこそ、気の利いた手土産なのでしょう。
もともと私は、手土産を選ぶのが大の苦手。直前になってデパートの地下をぐるぐる歩き回ってもピンとくるものが見つからず、結局、だれもが知っている無難な銘菓を贈ってしまい、芸がないことに。昨今は、ネットですぐに値段もわかってしまうので、なかなかいい手土産を選ぶのはむずかしいのです。
「近くにひいきの和菓子店、洋菓子店をもつと、すべてが解決する」と教えてくれたのは、贈り物名人の友。和菓子なら季節のラインナップがわかっているから選びやすく、商品やその店についてのうんちくも語れる。値が張らない品でも「あなたが春に持ってきてくれる、いちご大福が最高」などと喜ばれ、期待されるのだとか。
私も実践してみたところ、選ぶのがほんとうにラク。お菓子のほかに、製茶、果物屋の馴染みができて、奇をてらわなくても「今年の一番茶です」「ここの農家で採れたミカンは、私のなかではベスト」などちょっとした理由で喜んでもらえます。お店の人に相談して決めたり、試食したりしているので、自信をもって手渡せます。
「身近にあるものを贈る」というのが、もっとも基本的で安心感のある手土産なのかもしれません。
有川真由美
作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。約50カ国を旅し、旅エッセイも手がける。
配信: 毎日が発見ネット