訪問診療の料金 | 通院と訪問診療、どちらが高額なの?

訪問診療の料金 | 通院と訪問診療、どちらが高額なの?

訪問診療の費用

医師が自宅や老人ホームなどの施設へ訪問して診療することから訪問診療は高額だと思われがちです。しかし、患者さまおよびご家族さまが通院に費やす時間や交通費、待ち時間の負担などを総合的に考えると、必ずしも「訪問診療のほうが高額」とは断言できません。訪問診療自体にかかる費用は、通院して行われる一般的な診療よりも少し高い程度です。

計算方法

訪問診療の費用は、「基本診療費 + 追加加算される診療費 × 医療費負担割合」で計算されます。「基本診療費」とは、患者さまごとに作成された在宅療養計画に基づき、定期的に訪問して実施される医療サービスの費用のことです。「追加加算される診療費」は、患者さまやご家族さまなどの要望により、医師が必要と判断した場合に提供される医療サービスの費用を指します。基本診療費と追加加算される診療費については、厚生労働省が定める診療報酬により決まっており、さまざまな条件で金額が変動します。

医療費負担割合

そして、これらの合計に患者さまごとの医療費負担割合が考慮され、訪問診療の費用が決まります。医療負担割合は原則3割ですが、乳幼児や70歳以上の方の場合、公的医療保険制度における医療負担割合は1〜2割に設定されています。ただし、後期高齢者医療制度の対象となる方でも、一般所得者等は1〜2割、現役並み所得者は3割と、患者さまの条件によって異なります。気になる方はかかりつけ医やケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。

高額療養費制度

このように、受ける医療サービスの内容や、患者さまごとの医療負担割合によって訪問診療の料金は変動します。ただし、医療費の増加に伴い負担額が増え続けるわけではありません。医療費には上限が設けられており、1か月(月初から月末まで)の医療費が自己負担限度額を超過した場合は、その分が戻ってくる「高額療養費制度」があるためです。なお高額療養費制度は年齢や所得、利用している健康保険の種類に応じて上限が異なりますので頻繁に受診するという方は確認しておきましょう。

高額療養費制度を利用する方法

高額療養費制度を利用するためには、「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関の窓口へ提示する必要があります。また、「医療機関ごと」にひと月の支払額が自己負担限度額までになることなど、いくつか注意点もあります。医療費負担をおさえるために、どういった制度が利用できるのかなど、あらかじめ医療機関等で確認しておくとよいでしょう。

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