30代から知っておきたいオトナミューズ更年期講座【鍛える編】
いずれは誰もが通る道、更年期ー実はプレ更年期も含めると、30代後半から徐々に突入し始めている? そこでドクターに直撃!更年期の正体やミューズ世代が今から取り組んでおきたい対策をたっぷりとうかがいました。
今日からすぐできる対策も!更年期を元気に健やかに乗り切るための方法
善方裕美先生と考えた、心身ともに健やかに更年期をやり過ごすためのホルモンケア法などを編集部のレコメンドアイテムと併せてご紹介。まずは、日常生活の中に取り入れやすいものからトライしてみましょ♪
【骨盤底筋を鍛えて便秘や尿漏れ予防を】
「出産を経験した女性は特に、更年期を迎えると骨盤底筋(膣や肛門、尿道口を動かすときに使う骨盤の底にある筋肉)が緩みやすくなり、尿もれなどの原因に繋がります。防止策としてオススメなのは、立ったまま簡単にできる、かかと上げトレーニング。背筋をピンと伸ばし、上に引っ張られる感覚を持って行うことで、お腹の内側にしっかり圧力をかけることができます。気が向いたとき、どこにいてもトライしやすいのもポイント。クリニックでは産後の方にも奨めていますし、自覚症状が出る前の早い段階から日々の習慣にしていただきたい!」
簡単にできる骨盤底筋トレーニング
①かかとをつけ、つま先を約90度に開いて直立! そこからかかとを引き上げる。②頭のてっぺんから上に引っ張られているつもりで首と背筋をピンと伸ばし、お腹&お尻はきゅっと引き締めるように意識しながら、ふーっとゆっくり息を吐く。③吐き切ったらかかとを地面につけ呼吸を楽にしてOK。10回くらい繰り返す。
膣トレグッズにも注目
ケーゲルベル 骨盤底筋トレーナー KE ¥15,400(フェルマータ)
シリコンのボールを膣に挿入して使う骨盤底筋用トレーニンググッズ。3つの重りを組み合わせることでかかる負荷を調整できる。
【脚力中心に鍛えて若さと元気をキープ!】
「更年期世代になると、下半身を中心にがくんと筋肉量が減るので予防も含めた対策が必須となります。スクワットを習慣にしたり、通勤時にはウォーキングシューズにはき替えてひと駅分多く歩くなど、脚をよく使う運動をルーティーンにする工夫をしてみましょう。ふくらはぎは第2の心臓ともいわれている通り、血液を心臓へと戻すポンプの役割を果たしているので、脚力を鍛えると全身の血流アップも望めます。さらに休日は、太陽の下でからだを動かすと、骨の形成などに欠かせないビタミンDの生成にも効果的です」
からだを回すラジオ体操はめまい予防に効果テキメン
「たった3分間でうまく全身運動できるよう考え抜かれているのがラジオ体操。グルングルンからだを回して三半規管を刺激するので、実は更年期症状のめまい予防としても効果的です。ぜひYouTubeでチェックしてみて!」
あなたは今、どの状態?
セルフCHECKにトライ
まずは今のコンディションを確認してみて! ただしここで出た点数は人と比べるものではなく、あくまで自分の体調を知るためのもの。こまめにCHECKして、自身の日々のからだの変化を把握するための目安に。
東京医科歯科大学方式
〈更年期指数の自己採点の評価法〉
0~25点
上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26~50点
食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。
51~65点
医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けたほうがいいでしょう。
66~80点
長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81~100点
各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。
医学博士・産婦人科医 善方裕美先生/よしかた産婦人科院長・医学博士・横浜市立大学産婦人科客員准教授・女性ヘルスケア専門医。約30年間、更年期症状に悩む女性の治療やカウンセリングを行ってきた経験を持ち、メディアなどを通して、更年期世代がよりよく日々を過ごすためのノウハウを伝える活動を行っている。著書に『女医が教える 閉経の教科書』(秀和システム)などがある。
illust:AKIKO HIRAMATSU text:CHIHIRO HORIE
otona MUSE 2023年12月号より
配信: オトナミューズウェブ
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