そこに顔出しパネルがあるならば、顔を出さずにはいられない――そんな人は、多いはずだ。かくいうJタウンネット記者も、その一人。
だが時おり、「何でそんなデザインに……?」と思わず首をかしげてしまうような変わったパネルに出会うこともある。
たとえば、コレ。
パネル一面をびっしりと埋め尽くしているのは「レンコン」である。な、何で……?
2024年10月23日、茨城県在住のXユーザー・いちらき(@1rakiraki_)さんが投稿したこの写真。
「日本一のれんこんの産地 つちうら」
とあるからには、茨城県土浦市にあるのだろう。
日本一の産地なのは素晴らしいが、それにしたってこのデザイン、奇抜すぎる。いったいどんな気持ちで顔を出せばいいのか。
レンコンの一員として? それとも、レンコンの穴から出てきている者として(左上の方でひそかに顔を出している市のキャラクター・つちまるのように……)?
この奇妙なパネルは、どこにあるのか。どんなコンセプトで作られたのか。
Jタウンネット記者はまず、投稿者のいちらきさんに話を聞いた。
一度は通り過ぎたものの…
24日、Jタウンネット記者の取材に応じたいちらきさんによると、レンコンパネルを撮影したのは20日の朝10時頃。設置場所はなんと、土浦市役所だ。役所にこれがあるの、さらに面白すぎる。
いちらきさんは同日、市内で開催されオールジャンル同人誌即売会・交流会「亀城祭」にサークル参加するために土浦に来ていた。買いそびれた設営用の物品を買おうとダイソーに向かう途中で、パネルを発見してしまったという。
急いでいたため一度は通り過ぎかけたものの、やはり面白いから写真に収めておこうと、撮影しに現場に舞い戻った。
「やっぱり最初は『なんだこりゃ?』と思いました。
なんとも土浦らしいというか、一面のれんこんという直球すぎるデザインで、顔はめパネルの概念すら無視していく潔いパネル、私は好きです」(いちらきさん)
その”潔いパネル”は、どんな思いで生み出されたものなのか。
実は記者には、パネルの写真を見たときから一つ、考えていたことがある。
なぜ、レンコンを顔出しパネルのデザインにしたのか。それってもしかして、レンコンにも”穴”があるから……なんじゃないの?
「穴」繋がりなのか? 市役所に聞く
もし間違っていたらあまりにも恥ずかしすぎるが、記者は30日、土浦市役所農林水産課にこの仮説を恐る恐る同課にぶつけてみた。返ってきたのは、こんな答えだった。
「ご指摘のとおり、れんこんには穴があるので、その意味も込めて当時の担当職員が発案したものです。また、子供たちに、れんこんにもっと親しんでもらうためにも、顔出しパネルが有効ではないかと考えたようです」(土浦市役所農林水産課)
や、やっぱり、レンコンに穴があるから、穴のある顔出しパネルにしたんだ!?
土浦市役所、タダものではない……。
レンコンパネルは2022年に作成され、庁舎内や市内のイベントなどで活用されている。
今回いちらきさんが発見したものとは別のデザインも存在しているという。そちらでは、土浦全国花火競技大会にちなんで、花火と、土浦市のゆるキャラ・つちまると共にれんこんがが描かれており、れんこんの穴から顔を覗かせることができるデザインになっているそうだ。
たくさんのレンコンに囲まれたり、レンコンの穴から顔を出したりしたい人はぜひ、土浦市に足を運んでみてほしい。
きっと今より、レンコンのことが好きになるはずだ。
配信: Jタウンネット
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