センスよく暮らしたい、おしゃれだと思われたい、そう考えている方はたくさんいると思います。でも、センスっていったい何で、どうやったら身に付くのでしょう? 『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社)は、50種類の仕事、約50か国を旅してきた作家・有川真由美氏が「センスいいな」と思った魅力的な人のこと、感性を磨くためにやってきたことを満載した1冊です。 今回はその中から、センスがいい人がしていた「作法」についてご紹介します。マネしやすいことばかりなので、日々の生活に取り入れてみるのもいいかもしれません。
※本記事は有川真由美著の書籍『センスいい人がしている80のこと』から一部抜粋・編集しました。
「おもてなし」は軽やかに、さりげなく
「世界幸福度ランキング」の1、2位の常連であるデンマークを旅したとき、デンマークに住む友人がこんなことを言っていました。
「心地いい空間や時間を楽しむ”ヒュッゲ”って特別なおもてなしはしないの。肉を焼いてポテトをつけるだけだったり、みんなで料理を持ち寄ったり、後片づけも一緒にしたり、いたって普通。無理がないから気軽に『ヒュッゲしよう』って誘えるし、気軽に応じられるんですよね」
私もヒュッゲに何度か参加したのですが、ホストがぜんぶ準備するのではなく、数人で買い出しに行って、わいわい料理したり、だれかがピアノを弾き始めてみんなで歌ったり、おしゃべりが弾んで深夜になったり……と、みんなが主体的になって、その場の流れを楽しもうとする空気感がとても心地よかったのです。
そんな心地いい時間や空間を追求してきたからこそ、デンマークは家具や照明、建築などのおしゃれなデザインが発展したのかもしれません。
ホストも負担のかかるもてなしはしないけれど、庭に生っているブルーベリーを摘んできたり、素敵な音楽をかけたり、アロマキャンドルを灯したりと、さりげない心遣いをしてくれていて、客人にとっては歓迎されている心地よさになるわけです。
「無理をしないこと」も、ひとつのポイント。日本人は人をもてなすときに、完ぺきにやろうとするから億劫になるし、もてなされる側も肩が凝るのです。
「うまくやることより、楽しむことが大事」という暮らしの本質をわかっていれば、自分にも相手にもやさしくなれるし、気軽に声をかけ合える。無理がないからこそ「人に喜んでもらうことを楽しむ」センスも、磨かれるのではないでしょうか。
有川真由美
作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。約50カ国を旅し、旅エッセイも手がける。
配信: 毎日が発見ネット