思いがけない意味、語源とは
大人は知らない、子どもだけの共通言語や文化はいつの時代も存在しますが、最近ネット上で拡散され始めているのが「ランランルー」です。意味を知らなければ何とも感じないフレーズですが、小学生の間では“最悪の煽(あお)り言葉”として認知されているとか。一体なぜなのでしょうか。
ワードごとの注目度が時間軸で分かるGoogleトレンドで検索すると、ランランルーという言葉が最も注目されたのは2008(平成20)年6月頃。その後はほとんど下火で知られることなく十数年が経過しました。しかし2024年10月、とあるきっかけによりSNS上で再び注目を集めることになったのです。
日本マクドナルドが10月22日、SNSに初登場させたキャラクター「#いまだけダブチ食べ美」という女の子の2次元キャラクター。これは期間限定のダブルチーズバーガーのメニューをPRするためのキャラで、4日後の26日には食べ美が歌って踊るショート動画もアップされました。この動画が、今になって「ランランルー」が最注目されるきっかけとなりました。
ここでランランルーの語源について。ランランルーとは2000年代前半、日本マクドナルドのテレビCMで、ドナルド・マクドナルドが「うれしくなると、ついやっちゃう」掛け声やポーズとして披露したもの。フレーズに併せて、両腕をクロスさせて胸に置く(ラン) ⇒ 胸の前で両手を合わせる(ラン) ⇒ 両腕を頭上にまっすぐ伸ばす(ルー)、という動きが特徴的で、当時子どもたちやネット上に浸透しました。
このドナルドの動きにダブチ食べ美の動きやダンスが似ていたことから、SNS上では両者の関連性を指摘する声が多数。そして同時に、ランランルーについて「なぜか小学生の間で『マジでやばいレベルの罵り』として定着している」との報告が相次いだのでした。当時CMを見た子どもたちが、どういうわけかこの言葉に「死ね死ね消えろ」という意味を付与して広まったようで、「この言葉を使った男子が先生にめっちゃ叱られてた」「中指を立てるのと同じレベルの暴言扱いだった」「うちの学校でも禁句扱いだった」という声がいくつも確認することができます。
なお、ランランルーを最後にドナルドはマクドナルドのCMから姿を消しており、子どもたちが広げたこの悪しき“ミーム”がドナルドの出演機会を潰えさせたのではとの憶測も広がっています。
(LASISA編集部)
配信: LASISA
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