「伝わる」「感じる」作品になったのは、全員でひとつになれたから
――「伝わった」と感じたとのことですが、導入から、見る人を信頼している作品に感じました。
森崎:本当ですか? ああ、でも確かにあるかもしれませんね。作るときに、脚本の上田一豪さんとお話して、僕のバックボーンも入っています。
おばあちゃん(中尾ミエ)が主人公なのは、僕がおばあちゃん子だったからなのもあるし、説明はしていないけど、僕のことを知ってもらえると、より分かる部分があるかもしれません。そういう意味でも大きく信頼を置いたところはあるかな。
――それに、たとえ森崎さんのバックボーンを知らない人でも「感じるもの」がある作品かと。
森崎:感じるところまで作れたのは、キャストの方、カメラの撮り方、脚本、制作のみなさん、作り上げた全員でひとつになれたからですね。
取材であろうと、壁に向かってしゃべっているわけじゃない
――こうして直接お会いしてお話する際の森崎さんは、いつも明るくポジティブな印象です。『まる』で演じたモーくんも常にポジティブですが、終盤、ある本音を沢田に明かします。森崎さんにも、ポジティブであろうと「意識」している部分はありますか?
森崎:僕がポジティブに見えているなら、それはこの瞬間が楽しいからです。もしネガティブなエネルギーを与えられたら、たぶん僕もネガティブになります。壁に向かってしゃべっているわけじゃないから。取材だとしても、僕だって楽しくなければ笑ってないですよ。棘のようなトーンで来たら、僕だってそうなる。会話とか、共有している空間って、キャッチボールで生まれるものだし、自分の鏡だと思います。
――基本は、森崎さんからもポジティブなボールを投げたい?
森崎:基本はそうですね。でも自分の意思を貫き通す必要があるとき、たとえば制作の裏側でマネージャーと話していて、譲れないときなんかは、僕も尖りますよ。マネージャーとは大抵、通じ合えるという意味合いで、感覚として殴り合っています。あはは! でもそれは信頼の上での必要なクロスすることだし、全然いいことだと思います。
配信: 女子SPA!