「自民党じゃないとできない」変わりっぷりに驚き
そうした背景があるからこそ、大空氏を知る人はその変わりっぷりに驚いたのでしょう。
選挙期間中に雑誌『AERA』の取材を受けた際には、「野党と一緒に孤独対策をやってきても一緒に仕事ができなかった。つまり、何もやってくれなかったんですよ。(中略)僕は本当にそこで野党に失望しました。自民党じゃないとできないと思いました。困った人に手を差し伸べるのが真の保守政治だと思います」とまで言い切っていたのだから恐れ入ります。
いずれにせよ、大空氏は自民党所属の国会議員になりました。東国原氏も言うように、今後はそのような思想や発言の変化も踏まえ、有権者が審判を下していくようになるのでしょう。
こうして批判にさらされている大空氏の発言ですが、では具体的に何が問題だったのでしょうか? 改めて彼のコメントのロジックを見ていきたいと思います。
自分の話を、政策実務の難しさにすりかえ
まず、大空氏が政治家とコメンテーターとでは立場が違う、よって表現の仕方やアプローチが変わるのも仕方ない、と語ったこと。それ自体は正しいし、率直な感想であると思われます。
けれども、気になるのは、夫婦別姓や同性婚について自らの意見を明らかにしないことや、コメンテーターという仕事に張り合いが持てなくなったことを、政策遂行という実務の難しさと意義深さの話にすりかえていることです。
そして、その困難さと崇高(すうこう)さを担保してくれるのが政権政党たる自民党である、という裏付けにもなっている。
二つの異なる次元の話を用いて、質問に答えることを周到に回避しているのですね。
配信: 女子SPA!