動物によって見えている色が違う / (C)YOSHI / PIXTA(ピクスタ)
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
紫外線まで見えている!?動物によって見えている色が違う理由
子どもの頃、「イヌやネコは色の区別ができないので、すべて白黒にしか見えていない」と書いてある本を読んだことはないだろうか。
だが現在では、動物も色を識別していることがわかっている。それでも動物によって、見える色は違っている。
動物は、「錐体(すいたい)」という細胞の中にあるタンパク質の「オプシン」によって色を見分けている。錐体は網膜の中にある光センサーのようなもので、人間やチンパンジーには3種類の錐体があり、それぞれが赤、緑、青の光によく反応する。そしてこの3色の組み合わせで、細かい色まで区別している。
だがイヌやネコ、ウシ、ウサギ、ネズミなど多くの哺乳類は、赤と青の2種類の錐体しか持っておらず、人間ほど細かい色の識別はできていない。とくに苦手なのは、赤と緑の区別だという。
そして、人間よりもっとカラフルな世界で生きているのが、錐体が4種類あって人間には見えない紫外線まで見える爬(は)虫類や鳥類である。魚やカメの中にも、4種類以上の錐体を持つ種がいる。
虫の目のしくみはこうした動物とはずいぶん異なっているが、チョウやハチを研究した結果、色の区別が細かくできていることが判明した。アゲハチョウには光センサーが六つもあり、そのうち四つを使って色を見分けている。
虫の目で見ると、この世界はずいぶん様相が違っていることだろう。たとえばモンシロチョウは、メスの羽だけが強く紫外線を反射するしくみになっており、チョウの世界ではモンシロチョウのメスは相当目立つ存在だと考えられる。
生物によって見える色が異なるのは、天敵を避けてエサを手に入れ、生殖をするために、それぞれ必要な色覚が発達した結果だという。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
配信: レタスクラブ
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