写真説明:グランプリに輝いた清水さんの作品
災害時のため備蓄する水や食料、防災グッズは、どこにどのように収納するかが問題になりがちです。そうしたお悩みの参考にしてもらおうと、「防災備蓄収納プランナー協会」(長柴美恵代表理事)は2024年9月末、自宅の備蓄品の収納方法を発表して競う「防災備蓄収納自慢 BJ-1グランプリ」を開催しました。グランプリに輝いた、備蓄収納プランナー1級の清水麗子さん(大阪府)に、防災備蓄品の考え方と収納方法について話を聞きました。
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優勝者は備蓄収納プランナー1級の清水麗子さん
写真説明:「まさかグランプリを頂けるとは思いませんでした」と話す清水さん
自宅での防災備蓄収納をA41枚にまとめて応募 5人が最終審査に進出
コンテストでは、応募者が、自宅での防災備蓄収納の様子をA4サイズ1枚に画像と文章でまとめた作品を提出し、事前審査で選ばれた5人がオンラインの最終審査で8分ずつ発表しました。
日常的に使う物の隣に備蓄品置き「見える化」
清水さんの応募作品は、リビングのカウンター下に置いた収納棚の中の画像4点に、それぞれ短いコメントがつけられています。
棚の一番上の引き出しには、いつも使っている箸や箸置き、スプーンなどのカトラリーが入っており、清水さんはその隣に備蓄用の缶詰を入れています。引き出しの下の引き違い扉の上段の棚には日常的に使う食器があり、中段から下の右側には、レトルト食品や缶入りのパン、カセットコンロやカセットガスなどが収納されています。左側には滑り止めシートを敷き、よく飲むお酒とともに2L入りのペットボトルを数本置いています。
清水さんの収納棚の引き出し。箸などの隣に缶詰が置かれている
使ったことがわかる収納で管理しやすく
清水さんが心がけているのは、備蓄品を日常的に使う物と一緒に置き、「見える化」することです。「備蓄品と言っても、使うことが前提です。もし災害が起こった時に私が家にいなくても、家族が『缶詰はここにある』とわかっていることが大事です」と話します。
好みの味の缶詰をそろえており、知らないうちに夫が開けて食べていることもあります。日常的に開ける場所のため、使ったことにすぐ気づけて補充できるのも利点だといいます。
防災グッズも日常的に使うことを心がける
また、食品だけでなく、カセットコンロなどの防災グッズについても、説明書を読まなくても使えるようにしています。毎月29日の「肉の日」には、カセットコンロを使い焼き肉をする、と決めているそうです。
最終審査に残った4作品は専用の備蓄庫に
最終審査に残ったほかの4作品は、家族2人~4人分の大量の備蓄品を、専用の備蓄庫やその他のスペースに収納。物品ごとでなく賞味期限ごとに収納したり、物品の配置図を作ったりするなど、それぞれに工夫を凝らしていました。
写真説明:最終審査に残った5人の作品
そんな中で、備蓄量がそれほど大量ではない清水さんが優勝したのは、取り組みがしやすい点や、わかりやすいこと、「肉の日に焼き肉」など、防災グッズを日常の中で使う工夫をしていることなどが評価されたためでした。
配信: 防災ニッポン