映画『アイミタガイ』【中村蒼さん独占インタビュー】尊敬する黒木華さんと初めて共演できて光栄です

映画『アイミタガイ』【中村蒼さん独占インタビュー】尊敬する黒木華さんと初めて共演できて光栄です

和やかな雰囲気と実直な姿勢が見る人を引き付け、さまざまな作品で存在感を発揮する俳優・中村蒼さん。彼の最新作『アイミタガイ』が、11月1日(金)に公開。誰かを想ってしたことがめぐりめぐって見知らぬ誰かを救っているという、人と人との温かなつながりを描いた本作で、中村さんが演じたのは突然親友を亡くした梓(黒木華)の交際相手・澄人。役柄との共通点や印象的なシーンについて伺いました。

――原作、脚本を読んだ印象を教えてください。


小さな出来事がどんどんどんどん繋がっていって、大きな奇跡に繋がるという本当に温かい作品で、もしかしたら自分もこの世の中でそういう一部分になっているかもしれないと思えるような脚本でした。


 


――タイトルになった「相身互い」という言葉はご存知でしたか?


知らなかったです。作品のタイトルもカタカナで書いてあるので、漢字と意味は調べてみて知りました。どうしても「やってあげたから」「やってあげたのに」と思ってしまいがちですけど、そうではなくその人を助けることがいつの日かの自分を助けることにつながっていくという、すごく素敵な言葉だなと思いました。


 


――言葉の意味を知った上で、「相身互い」だと感じるエピソードはありますか?


どの仕事もそうだと思うんですけど、撮影現場はそれに溢れているのかなと思いました。自分の言うセリフは自分のために言うんじゃなくて、相手が行動しやすいようにあると思っていますし、監督はうまくいかない自分を導いてくれたり、撮影部さんとか照明部さんもどうやったらこの人がうまく映るかを考えてくれていて。撮影中はいっぱいいっぱいでなかなかそこまで考えが及ばないですけど、きっとそういうことがまわりに溢れているんだろうなと思います。


 


――草野翔吾監督のコメントで中村さんについて「どこか間が悪いけれど憎めない。真っ直ぐで優しくて、でも表現が不器用。そんな人柄にぴったり」とありましたが、澄人と似ているなと思う部分はありますか?


はい。抜けていたり、タイミングが悪いのは似ているなと思います。自分では気づかないところなので大変ですし、すごくイヤです(笑)。やっぱり先々を見て行動できる、気のきく頼りがいのある男になりたいんですけど、難しいですね。でも澄人はいざというときに助けてくれたり、梓が知らないことを知っていたり、ときどき見える男らしさというか、頼りがいがあるからこそ、「彼と一緒にいたい」と梓が感じると思うんですよね。そういうところは同じ男性として素敵な人だなと思いました。

――黒木華さんとの共演はいかがでしたか?


尊敬している役者さんなので、今回初めてご一緒させてもらって光栄でした。すごく繊細なお芝居をされる方ですし、見透かされているんじゃないかと思いながらお芝居をしていました(笑)。


 


――澄人と梓の関係性はどう見ていましたか?


梓は親友を亡くすという大きな出来事があって沈んでいるんですけど、澄人は彼なりに励まそうとしていて、これから一緒に長く付き合っていく人だからこそ、その話題を避けずにちゃんと触れるというのが彼の優しさなんじゃないかなと思うんです。一緒になって沈むんじゃなくて、触れるときは触れるけど、それ以外はいつも通り明るく振る舞うというのも、バランスが取れていていい関係性だなと思います。 


 


――落ち込む梓に澄人が「いい友だちを持ったよね」と言えるところに彼の人柄が出ているように思います。


そうだと思います。なんて言っていいかわからないくらいの出来事だと思うのですが、あの大事なときに出るひと言に人間の本質というか、「これからこの人と共にできるかどうか」みたいなものが見えると思うので。しかも澄人の場合は「こう言ったほうがいいかな?」と考えているわけじゃなくて、純粋に自然とそういう言葉が出ているような気がするんですよね。それが梓にとってはすごく支えられるというか、腑に落ちる言葉になっていると思います。


 


――演じられたなかで印象的なシーンはありますか?


終盤の、梓が澄人にからだを預けるために後ろに倒れようとするシーンですかね。梓が会いに来たのに最初は澄人がいなくて、トイレから出てくるという相変わらずのタイミングの悪さだけど、やっと彼の想いが届くシーンでもあるし、過去の回想の流れもあってすごく印象に残っています。撮影中、監督が「もっともっと」と言うから黒木さんと僕の立ち位置がどんどん離れていって、もしも何かあったらどうしようという緊張といろんな圧を感じながらの撮影でした(笑)。

Profile_中村蒼(なかむら・あおい)。1991年生まれ、33歳。福岡県出身。2006年に舞台『田園に死す』主演で俳優デビュー。以降、数々のテレビドラマ・映画・舞台で活躍。Apple TV+にて世界配信中の『Pachinko2』にて自身初の海外作品に出演。現在放送中のNHKドラマ10『宙わたる教室』に続き、Prime Videoにて11月28日21:00より配信されるドラマ【推しの子】、2025年1月放送開始のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』など、注目したい出演作が目白押し。

映画『アイミタガイ』2024年11月1日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

© 2024「アイミタガイ」製作委員会

なぜ彼女は、亡くなった親友にメッセージを送り続けたのか?


誰かを想ったやさしい「秘密」が、立ち止まっていた人々の心を灯す。


ストーリー:ウェディングプランナーの梓は、日々の何気ないあれこれを亡くなった親友に送り続けていた。たとえ返事が来なくても- 。見逃してしまいそうな微かなふれあいが繋がり、秘密の糸がほどけるとき、思いもよらない幸せの歯車が動き出す。


 2013 年に刊行された小説「アイミタガイ」。ゆるやかに交わる連作短編が、一本の映画に生まれ変わった。『台風家族』(19)の市井昌秀が脚本の骨組みを作り、『ツレがうつになりまして。』(11)の故・佐々部清が魂を注いだ企画を受け継いだのは、『彼女が好きなものは』(21)やドラマ「こっち向いてよ向井くん」(NTV/23)の草野翔吾監督。親友同士の梓と叶海、二人の関係を軸に、一期一会の連鎖が大きな輪になっていく群像劇を紡ぎ上げた。


主演を務めるのは、映画『せかいのおきく』(23)や大河ドラマ「光る君へ」(NHK/24)をはじめとする時代劇から現代劇まで、精度の高い演技の幅で役柄の行間に奥行きをもたらす黒木華。梓との結婚に踏み切りたい交際相手の澄人には中村蒼。やや頼りないが憎めない人物像に、親しみのある存在感でアプローチし、梓の心を解きほぐしていく。梓のよき理解者で亡き親友の叶海を演じたのは藤間爽子。


 


出演:黒木華/中村蒼/藤間爽子/安藤玉恵/近藤華/白鳥玉季/吉岡睦雄/ 松本利夫(EXILE)/升毅 / 西田尚美/田口トモロヲ/風吹ジュン/草笛光子


原作:中條てい「アイミタガイ」(幻冬舎文庫) 


監督:草野翔吾 脚本:市井昌秀 佐々部清 草野翔吾 音楽:富貴晴美


配給:ショウゲート


https://aimitagai.jp/

カーディガン¥44,000、パンツ¥66,000(共にCINOH/MOULD)、その他スタイリスト私物

お問い合わせ先:MOULD☎︎03-6805-1449

STAFF CREDIT

photograph:SHO UEDA styling:DAISUKE ARAKI hair&make-up:GO TAKAKUSAGI[VANITES] interview SONOKO TOKAIRIN

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