飼い主さんを悩ませる、愛猫の「噛む・引っかく」問題。その理由はさまざまで、ケースによって猫の気持ちも異なります。そこで今回は、猫が嚙む・引っかく行動に出る4つの理由とそれぞれの対処方法について、獣医師の菊池亜都子先生にお話を伺いました。
理由①:やつあたり
窓の外に見える外猫など、目の前にいる相手に攻撃したいのにできない場面で、猫が飼い主さんを噛んだり引っかいたりしてしまうことがあります。これは「転嫁性(てんかせい)攻撃行動」と呼ばれ、行き場のない興奮やいら立ちをその場にいた飼い主さんにぶつけてしまう行動。一種の“やつあたり”といえるでしょう。
【対処法:猫が興奮しているときは近付かない】
可能な限り猫が興奮するきかっけを与えないことが大切です。窓のそばまで外猫が来るなら、外を見えにくくするなどの工夫をしましょう。また、猫が興奮しているときは近付かず、落ち着くまで距離を置いて見守るようにしましょう。
理由②:驚いた拍子に
警戒心が強い猫はとくに、ちょっとした物音でも驚いたり強い恐怖を感じたりすることがあります。すぐに平常心を取り戻すことがほとんどですが、一瞬にして興奮のスイッチが入ることで、たまたまそばにいた人を噛んだり、引っかいたりしてしまうことがあります。
【対処法:大きな声や音に気を付けて】
いわゆる“ビビり”な猫の近くではとくに、猫を驚かせないよう大きな声や音には気を付けましょう。噛んだり引っかいたりされるリスクが低くなるだけでなく、愛猫が安心し、リラックスして過ごせることにもつながります。