歯科医院で定期健診を行った際に、「歯みがきだけではなく、フロスも使ってケアしてくださいね」と言われた経験のある方は多いのではないでしょうか。
今回は、歯磨きとフロスについて、ヨコデンタルクリニック院長の横引良評先生にお話をお伺いしました。
歯みがきだけではダメ?
歯磨きを1日3回行えば、虫歯にならないと考えている方が多いと思います。
しかし、実は歯ブラシだけでは、歯の表面汚れを落としきれているとはいえません。
歯磨きのみでの歯垢除去率は61.2%、デンタルフロスを併用したときの歯垢除去率は79.0%と、フロスを使用することに歯垢除去率が約1.3倍にアップするとの報告があります。
歯ブラシでは、歯と歯の間が磨けないため、食べかすが挟まったままになったり、歯垢が溜まってしまったりします。
そのため、歯と歯の間をきれいにするためのフロスが大切になります。
フロスを使用すると、歯と歯の間を清掃して、歯垢を除去できます。
さらに、正しい使い方により、歯肉をマッサージできるため、血行促進の効果も期待できます。
歯肉の健康を維持できるようになり、虫歯や歯周病になるリスクを減らせます。
毎回、歯磨きの際にフロスを使用できると良いですが、難しい方も多いと思いますので、就寝前だけはフロスも使うようにしていきましょう。
しかし、詰め物や被せ物が入っている場所があれば、フロスや歯間ブラシを使うことで引っかかって外れてしまう場合があるため、気になる場合は歯科医院で相談するようにして下さい。
どんなフロスを選べばいいの?
フロスには、ワックスタイプ、アンワックスタイプ、エクスバンドタイプの3種類があります。
ご自身に合ったフロスを選ぶようにしましょう。
〇フロスタイプ
1:ワックスタイプ
フロスの糸にワックスがついているため、歯と歯の間の滑りが良いです。
歯と歯の間が狭い方や、初めてフロスを使う方におすすめです。
2:アンワックスタイプ
歯垢が糸に絡まりやすいため、ワックスタイプのフロスより汚れを多く取り除けます。
しかし、歯と歯の間の滑りが悪いです。
3:エクスバンドタイプ
糸が唾液で膨らむため、歯垢を最も取り除けます。
しかし、糸が太いため、歯と歯の間が狭い方にはおすすめできません。
〇フロス形状
1:糸巻き型
フロスを巻いてボックスに収納してある、最も基本的なタイプです。
糸を必要な長さに切り、指に巻き付けて歯と歯の間を磨きます。
使い方にコツがあるため、慣れるのに少し時間がかかります。
2:ホルダー型(フロススティック)
持ち手がついているため片手でも使用でき、初めてフロスを使う方におすすめです。
糸巻型と比較すると、若干コストがアップする傾向があります。
Y型(Yの字の上部にフロスがかかっているタイプ:画像参照のこと)とF型(Fの右上部にフロスがかかっているタイプ)があります。
どのようなフロスを選ぶといいのか、わからない方も多いと思います。
通院されている歯科医院で相談してみると、ご自身に合うフロスのタイプを教えてもらえます。
選ぶのに悩まれたら、一度相談してみてくださいね。
[執筆者]
横引良評先生
ヨコデンタルクリニック院長
歯科医師・社会福祉士・介護支援専門員
1988年生まれ、広島県出身。
2023年に千葉県佐倉市ユーカリが丘・四街道地区にヨコデンタルクリニックを開院。
保険治療からホワイトニング・マウスピース矯正・ワイヤー矯正・審美歯科・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーションなど幅広い治療を提供している。
趣味は、サッカー・フットサル・ラーメン屋めぐり・温泉めぐりなど。
ヨコデンタルクリニック
配信: キレイ研究室
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