OIV、国際ぶどう・ワイン機構とはぶどうやワインの研究や情報の収集・発信をする重要な機関です。
設立100年記念となる2024年は醸造・栽培、そしてワイン造り周辺の環境保持のカンファレンス等のイベントが10月に開催されました。
その主な会場はパリから移転、新本部となった地、ブルゴーニュのディジョン。
そして新本部設置の為、大工事を終えた建物の一般公開もイベントの1つでした。
美しいシンメトリックなデザインの入口が迎えてくれるこの建築物は、1643年に当時のブルゴーニュ議会議長、ジャン・ブシュ(Jean Bouchu)の発注で建てられたもの。
当初住居兼オフィスとして使われ、何代かブシュ家が継いだ後人の手に渡りました。
大改修工事の際は暖炉や美しい天井等歴史の遺産を受け継ぐことも強く意識したことが伺えます。
秋晴れも手伝って2日間の公開日中特に午後は入場に列を作る程の盛況ぶりでした。
さすが好奇心が強くワイン都市の住民というところでしょうか。
デスク等が搬入前のスペースでは建築家や歴史専門家が訪問者達との会話に大忙し。
近日、仮住まいだった徒歩10分程にある国際ガストロノミーセンターから順次人や設備の引っ越しが完了していくのでしょう。
聞けば新OIV本部の工事費用は当初の予算の2倍以上になったとか。
全額でないとはいえディジョン市民の中には税金の投入先をしかと確認しに来た、という人も少なからずいたはず。
約50ヶ国が加盟する国際機関、OIVは新居で世界のワイン情勢がゆっくりと塗り替えられていく様子を見守っていくことでしょう。
1つだけ注意点を。
地下にあるセミナールームの中央の通路は緩やかな上りになっており、数か所に浅い段差があります。
弱くライトで照らされていますが段差が見えづらいのでご注意を。
数名の方がつまずいていました。
配信: ワウネタ海外生活