「つきまとわれて怖かった」視覚障害者の女性たちが困惑する“親切心” 「配慮のしかたにもマナーがある」

「つきまとわれて怖かった」視覚障害者の女性たちが困惑する“親切心” 「配慮のしかたにもマナーがある」

●視覚障害者への配慮のしかたにもマナーがある

では、もし街で立ち往生していたり、困っている視覚障害者がいたら、どうしたらよいのでしょうか。横断歩道や駅構内は分かりづらく困ることが多いといいます。そのような場面をみたら、「お手伝いしましょうか?」とまずは尋ねてみてください。

もし手助けが必要な場合は、「●●を探しています」など、困りごとを教えてくれるはずです。その内容が難しければ、なにができるのかを相談しましょう。「完璧に」何かをする必要はありません。

アテンドするときは、自分の片方の腕や肩を軽く触ってもらい、自分が前を歩きます。これだけでも、段があれば掴んでいる腕の高さが変わるので、段があることが分かります。その上で「横断歩道を渡ります」「上りの階段です」などと周囲の状況を伝えます。その際、むやみに体や白杖、カバンなどを引っ張ってはいけません。

困っていなければお断りされますが、スタッフのひとりは「せっかくの好意なのでお断りするのは心苦しいこともある。もしまた困っていそうな視覚障害者を見かけたら声をかけてほしい」と言います。

断られても「そうなんですね、よかったです」と気持ちよく済ませましょう。視覚障害者への配慮のしかたにもマナーがあることを知って欲しいものです。

●「家までついてこられた」女性からは不安の声

しかし、中には断られても、執拗に接触を続ける人がいるといいます。

「家までついてこられたり、待ち伏せされたりした」(20代女性)

「『大丈夫』と言っているのに後をつけられた」(50代女性)

「しつこく勧誘された」(30代女性)

など、たくさんの意見が寄せられました。「つきまとわれて怖かった」という意見は女性に非常に多いです。

SNSでは「障害者は守られるべきもの」という意見がありましたが、筆者はそうは思いません。視覚障害者は、見ることが不得手なだけで、ひとりの人間です。世の中は「見えること・動けること」が前提で作られているので、彼らにとっては不便なことが多い。

もちろん、一部の人だけが便利な社会は変えていかなければいけません。晴眼者が配慮することはもちろん必要ですが「何もできない人」「可哀相な人」ではないのです。

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