鮭の主な種類と漁獲時期や成熟度で変わる呼び名について
川から海へ出て成魚となり、産卵のため秋に生まれ故郷の川に帰ってくる「鮭」。9~11月頃の産卵前に水揚げされる白鮭は別名「秋鮭」や「秋味」などと呼ばれ、とりわけ人気です。ところで、ひと口に「鮭」と言っても、さまざまな種類や呼び名があることをご存知でしょうか?
塩焼き、ムニエル、シチュー、ちゃんちゃん焼きなど、和洋の料理ジャンルを超えて愛されている「鮭」。日本で「鮭」といえば、「白鮭(シロサケ・シロザケ)」を指すことが多く、ほとんどが天然もの。漁獲時期や魚の成熟期などで呼び名が変わり、冒頭の「秋鮭」のほかに、初夏に水揚げされる「時鮭(トキシラズ)」、産卵前に海から川へ戻る直前に水揚げされる「目近(メジカ)」、生後2~3年の未成熟な若い鮭は「鮭児(ケイジ)」と呼ばれています。「秋鮭」は卵や白子に栄養と脂肪が使われるためさっぱりとした味わい、産卵前の「時鮭」「目近」は脂ノリがよく、幻の魚とも称される「鮭児」はトロのような上品な脂ノリが特徴と言われています。
▲脂ノリが良く、身が柔らかい「銀鮭」。シンプルな焼き鮭をはじめ、おにぎりの具やお弁当のおかずにもおすすめ。
ほかに、スーパーの鮮魚コーナーなどでよく見かける鮭の切り身には、「紅鮭(ベニザケ)」、「銀鮭(ギンザケ)」などがあります。
▲鮮やかな紅色の身が特徴の「紅鮭」。甘みとコクがあり、塩焼きやお茶漬け、あら汁などと好相性。また、チャーハンの具に活用すると彩りがキレイです。
紅鮭は外国産の天然ものが多く、名前の通り身の色が鮮やかな紅色をしています。銀鮭は国内外で養殖が盛んに行われていて、紅鮭よりもやや薄く白鮭よりも濃いオレンジ色をしています。
▲塩ふり不要で時短にもなる「塩鮭」。朝食やお弁当の強い味方と言えそう。
「塩鮭」の甘塩・中塩・辛塩の違いは?
なお、「塩鮭(シオザケ)」として売られている切り身には、白鮭、紅鮭、銀鮭が使われることが多く、塩分濃度の違いで「甘塩(甘口)」「中塩(中辛)」「辛塩(辛口)」と区別されています。一般的には、甘塩=3%未満、中塩=3%以上6%未満、辛塩=6%以上10%未満の塩分濃度となっています。海水の塩分濃度がおよそ3%なので、辛塩は結構しょっぱく感じるかも知れません。ちなみに、塩鮭1切れ(100g)あたりの塩分(食塩相当量)は1.8g(※1)。塩分が気になる場合は、取りすぎた塩分を体外へ排出する働きがあるカリウムを多く含む野菜や果物も食べるようにするなど、バランスを整えることを心がけてくださいね。(※1)参照:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』より
▲加熱調理が原則の鮭(左)、生食可能なサーモン(右)。「お造り用」「さしみ用」などと記載されているか必ずチェックを。
配信: LASISA