今回のテーマは「ありがた迷惑なエピソード」です。人からの好意はありがたいものの、時折、「ちょっと…」と感じることもありますよね。
そこで今回は、あまり大きな声では言えない「ありがたいけど正直迷惑エピソード」を、「たまひよ」アプリユーザーに聞いてみました。最後に、作家であり家族アドバイザーでもある鳥居りんこさんに好意の押し売りにならない秘訣についてお聞きしました。
多かったのは、やはり実両親・義両親エピソード
まずは出産の際のエピソードから紹介しましょう。
「出産祝いの半返し。ほんとにこの文化やめて欲しい。産後なんて育児で忙しいのに出産祝いの半返しをするのが大変でした…」(あちゃん)
「出産祝いでもらった名前入りの大きなバスタオル…。好みのデザインではないし、重くて使いづらいし、吸水性なく実用的ではないし、名前・出生体重・身長が入っていて捨てるに捨てられない」(まる子)
「予定日すぎて連絡してくる人。心配してもらっていることはわかっていても『いつ生まれるかなんて、わからないよ』とモヤモヤしてしまった」(nobby)
ちなみに多かったのは、実両親や義父母に対してのエピソード。気持ちはわかるだけに、迷惑とはなかなか言えないですね。
「産後、実両親が手伝いに来てくれたけど、夫が育休をとっているので正直手伝ってもらうことがない」(ぴーまん)
「実母が産前に赤ちゃん用の服やスタイ、ガラガラなどを買っていたこと。自分でもまだ買っていないアイテムを買っているし、実母の趣味全開で自分は着せたくないものも。いいものを買ってくれるならまだしも、半額だったとか安かったとかいうものばかりで、まったくうれしくなかった」(りょう)
「出産後、義母が2日に1回ご飯を届けてくれましたが、毎回家に上がって1時間は滞在。掃除もしないといけないし寝ていたかった。玄関先に置いといて欲しかった」(rin)
「義父が赤ちゃんや夫婦に対して、必要なものを購入してくれるのですが、相談や連絡もなく買っていて、届いた時に知るという状態…。お宮参りも勝手にお店を決めて予約するなど、やってくれるのはありがたいけど、とても迷惑している」(リラックマン)
「義母がたくさんベビー用品をくれるが、服は季節とサイズが違い、大き過ぎて来年まで着られないし、オムツもまだテープタイプを使っているのにパンツタイプを買ってきたり、的外れなものが多いのがちょっと…」(さちゃ)
「実母がスピリチュアル好きで、私が妊娠してからLINEで『見ると幸せになる画像』的なのを送ってきたこと…。テンション下がったのと、いつか詐欺にあうんじゃないかと心配になりました」(鈴ちゃんママ)
「実母が娘を抱っこして寝かしつけをする。セルフねんねができるから正直ありがた迷惑と思ってしまう」(そよ)
「結婚記念日やひな祭りなどのお祝いの時に母がケーキをくれるけど、毎回ホールケーキ。2人でホールはキツいし太る」(こて)
「毎年、息子の誕生会とクリスマス会を開いてくれる。私が先に開きたいのに先走りで予定を組まれるとモヤッとする」(なつ)
そのほかには、こんな声も寄せられました。
「近所のおばあちゃん。近くの公園で遊んでいると毎日のように遊びに来るように。しまいには、そのまま他の場所へもついてくる始末。可愛がってくれるのはありがたいけど、こう毎日だと疲れます。せめて週1とかにして…」(あべちゃん)
「夫がバレンタインデーに体の半分サイズのチョコレートを買ってきたけど、味がイマイチで食べきれず…。小さい高級チョコが良かった…」(まさ)
「親戚が同じ野菜を大量にお裾分けしてくれるが、消費しきれない」(mono)
実両親・義両親の「よかれ」がしんどい時は上手に伝えよう
どれも「好意」だと分かるけれど、自分のニーズと違うのでモヤッするのでしょうね。多くの親たちの悩み相談を受けてきた鳥居りんこさんに、ありがた迷惑な行いへの対策などについてお聞きしました。
「これはホント、耳が痛い。先に謝っておきたい話題です。なぜなら、ワタクシは1歳児と0歳児の祖母。前述のみなさんの声を読んで、青くなっております。
『もしかして、やらかし婆さんになっている?』の疑念ありなのです。
そこで、ワタクシがおばあちゃん代表として『爺さん&婆さんは“実母の趣味全開。まったくうれしくない(byりょうさん)”という物をなぜ、わざわざ購入してくるのか?』という問題について解説しましょう。
うんうん、わかりますよ。
趣味に合わないものをドヤ顔で持って来られたら『そんな金あるなら、現金寄こせ!』という気持ちにもなろうかということは。
でもね、こっちの気持ちとしては、育児に参加したい、つまり、洋服でもおもちゃでも選びたいんです。なんたってベビーちゃん用品は“可愛い”の集合体ですから、見ているだけで幸せがあふれるんですよ。それを『こっちがいいかな?やっぱ、あっちかな?』と孫が楽しげに使っている様を想像しながら選んでいる時間は至福です。
自分自身が子育てをしていた時代は、時間的にも経済的にも、気持ち的にもまったく余裕がなかった祖父母世代は多いでしょう。でもね、振り返ってみると一番、キラキラしていた時代のようにも感じて、そのノスタルジーも上乗せされての『買ってあげたい(*^^*)』になるんだと思います。
ワタクシ自身も『孫がこの世で一番可愛い!』という心境になるとは、思ってもみませんでした。『孫は目の中に入れても痛くない』っていうのは、本当に良い例えだなぁ…と実感しています。
そういうわけで、めんどうもみたいし、なんでも買ってあげたくなっちゃうんですけど、ありがた迷惑って気持ちもわかる。なぜなら、ワタクシ自身も上の世代に、それをやられてきたからです。
つまり、今では両方の気持ちがわかるようになったのですが、幸いなことに通信機器が発達している現代です。ワタクシは考えました。
『事前にお伺いを立てれば、いーんじゃね?』と。
ショッピングモールに行ったり、観光地に行ったりして『孫にプレゼントしたい!』と思ったとしたら、速攻、写メ付き家族LINEで孫の親(息子夫婦と娘夫婦)に『いる?いらない?』を聞いています。
お節句だの誕生日だの、一生モノの行事であったらなおのことですから、あちらからの『指定品』をネット購入。これならば双方、ウィンウィンですから。良い時代になりました(それでも、子どもたちから見たら、いろいろとやらかしているのかもしれません…)。
とはいえ、祖父母の『良かれ』がしんどい時は、伝えるしかないです。実親ならばハッキリと、言いにくい義父母ならば夫を通して、本当の気持ちを言うことです。
ただね、心の片隅でいいから、ママ・パパたちに、わかっていて欲しいなと思うこともあります。
祖父母が孫に対してやっていることは100%の愛情です。
俗に『三つ子の魂』というように、この時期に親以外からも『無条件の愛』を降るように浴びることはとても大切。たとえ、子どもに記憶がなくとも、おじいちゃん・おばあちゃんに可愛がられたという事実は心の奥深くに残るでしょう。それも、心を育てる要素のひとつになります。
ここはぜひ、幼い我が子のためにも、『しょうがないな…』と許容できる範囲で流してもらえるとありがたいかなぁと思うこの頃です。ご参考になれば、嬉しいです」(鳥居りんこさん)
「ありがた迷惑」と感じてしまうこともあるかもしれませんが、我が子がそれだけ大事にされているということなんですね。無理のない範囲で許容していけるといいですね。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
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