スクールカーストを左右するのは○○能力!?

第2回 小学生の「スクールカースト」問題
小学校高学年くらいになると、中学・高校のクラス内にできるヒエラルキー、いわゆる「スクールカースト」の原型が育ち始めるといわれる。

では、スクールカーストの上位か下位かは、どんなところで分かれるもの? 『スクールカーストの正体 キレイゴト抜きのいじめ対応』著者で、公立中学教師の堀裕嗣先生は、小学校低学年では発達を基準とした、高学年ではコミュニケーション能力の差異によるヒエラルキーの形成が目立つと述べる。

「小学校高学年くらいから始まる、いわゆる中高生と同質のスクールカーストは、実は3~4歳までに決まっている気がします。基本的に幼少期から誰とでも遊べる、誰とでもコミュニケーションがとれるタイプの子は、中高生になってもほとんど下位にはならない傾向がありますよ」(堀先生 以下同)

逆に、「おとなしい」「ひとりで漫画を描くのが好き」「外で遊ばずひとりでゲームをするのが好き」など内向的なタイプが、高学年以降に上位になるケースは非常に稀だそう。

小学校のクラスの様子

●コミュニケーション能力がスクールカーストを左右

なぜ、コミュニケーション能力がスクールカーストの上位、下位を決めてしまうのだろうか。

「スクールカーストの基準になるのは、『コミュニケーション能力』です。しかし、ひと口に『コミュニケーション能力』といっても、そこには『自己主張力』や『共感力』、『同調力』の異なる3つの要素があるのです」

一般に「コミュニケーション能力」というと、欧米的な「プレゼン力」「ディベート力」「交渉力」などがイメージされる。これらは「自己主張力」であり、就職活動などで重要視されると考えられがちだ。

「でも、実は日本の社会では、自己主張力が強すぎると、浮いてしまいますよね。中学くらいまではリーダーシップをとり、格付け上位にいますし、中学でも最初は上位にいるのですが、2~3カ月くらいすると『自己チュー』と思われ、下位に落ちていきます。就職活動においても、自己主張が強すぎるタイプは、『一緒に仕事をしたい』と思ってもらえず、苦戦することがあります」

「スクールカースト」でも就職でも、実際には欧米的な「自己主張力」より、日本的な「共感力」「同調力」のほうが重要視されている傾向があるそう。

「共感力」とは、相手の気持ちを察することができるとか、相手の立場になって考えることができる力。「同調力」とは、雰囲気を壊さないとか、ノリが良いとか、その場の空気が読める力だとか。

「今の日本では、この『共感力』『同調力』が、カースト上位の最低ラインになっています。それらがない場合、よほど特別な力を持っているか、あるいは確固たる『自分』を持っていないと、苦しいですよ」

「空気を読む」ことの煩わしさは、大人の社会にも少なからずある。しかし、スクールカーストにおいては、残念ながらそれは必須の条件というのが、「現実」のようだ。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

堀裕嗣
堀裕嗣
札幌市立中学校教諭
北海道教育大学卒。「研究集団ことのは」代表・「教師力BRUSH-UPセミナー」代表・「実践研究水輪」研究担当・「日本文学協会」・全国大学国語教育学会・日本言語技術教育学会など。
北海道教育大学卒。「研究集団ことのは」代表・「教師力BRUSH-UPセミナー」代表・「実践研究水輪」研究担当・「日本文学協会」・全国大学国語教育学会・日本言語技術教育学会など。
スクールカーストの正体―キレイゴト抜きのいじめ対応
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