まさかの経営譲渡
そしてある日、全員参加の緊急職員会議が開かれました。社長は開口一番、「今月末をもってAさんに経営を譲渡します」と告げました。Aさんは関西に本拠地を持つ個別指導塾の経営者でした。私が勤めていたのは集団授業の塾。翌年からは全教室が個別指導塾になり、職員は講師から教室経営者へと役割を変えることになりました。
私は、集団授業で教えることに未練があり、同業他社へ転職することに決めました。50代半ばでの転職、それも会社が事実上破綻したような状況での転職は、想像もしていませんでした。
この経験を通して、見慣れない人たちが頻繁に会社を訪れるようになるのは、もしかしたら変化の兆候かもしれない、と考えるようになりました。そして、減収減益が続くと会社の経営体力が急速に弱まることを、身をもって知りました。
まとめ
幸いなことに、私は同業他社に正社員として採用されました。50代半ばでの正社員採用は難しいと聞きますが、長年塾講師を続けてきたことが評価されたのかもしれません。職場が変わっても、同じ仕事を続けることの大切さを実感しました。どんな状況になっても、自分の専門性を磨いておくことは、将来への安心材料になるのだと、今は心からそう思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:松田博人/50代男性・会社員
イラスト/おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
著者/シニアカレンダー編集部
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