●涙を流すことで、ストレスが軽減される効果あり!
「これまで、妻として、母として頑張る多くの女性のカウンセリングをしてきました。皆さん相談に来られる方々は、何かしら悩みやストレスを抱えた状態でいらっしゃいます。ですから、カウンセリングがはじまると、それまで蓄積されてきた思い、不満、不安などを吐き出すと同時に、皆さん涙を流されるんです」(高草木さん 以下同)
泣くことにより、ストレスホルモンといわれる“コルチゾール”が涙と一緒に放出され、ストレスが軽減されるということが医学的にも証明されている。まさに高草木さんはその効果をカウンセリングで目の当たりにしているという。
「相談者の方が涙を流されている間、私は声かけをすることもなく、じっと見守り落ち着くときを待ちます。そして、落ち着いたとき、皆さんがそれまでとは別人のようにキリッとした表情になり、冷静に話しはじめるのです。そこで明らかに何かがリセットされたのです。だいたい相談に来る方は、我慢や悩みが限界に達した方が多いので、普段も涙を流せないタイプの方が多いからこそ、涙を流したことで、より何かが変わるのです」
●意識して涙を流す機会を作ることも大切
このように、時にはあえて意識的に涙を流すことも大切だという。
「なかなか、家族や知り合いの前で涙を流せないという人も多いですよね。だからこそ、ストレスたまっているなぁ…、最近泣けていないなぁ…というときは、カウンセラーのような第三者の前でおもいきって涙を流すという機会を意識的に作るのもいいでしょう。また、女性が夜な夜な“韓流ドラマ”を観て一人で涙を流すというのも、実は無意識にストレス発散になっていて、とても理にかなっているのです」
男性がスポーツやジムで汗を流しストレスを発散するのと同じように、女性は涙を流すことでストレス調整になるそう。
そういえば、昔から“涙の数だけ強くなれる”…という言葉もあるが…。
「泣く行為、それ自体は弱い行為のように思えますが、実際は涙を流すほど女性は強くなっていきます。泣くことでストレスや悩みがリセットされ冷静になれる。だからこそ、また新たに歩み出せる。つまり、その強さは、夫や周りの人に対して強くなるという意味ではなく、自分自身の人間的な強さを培っていくということです。泣いた分、何事にも動じない強さを手に入れていくのです」
頑張りすぎているときは、“泣くもんか”と、泣く自分すら許すことができなかったりするもの。だからこそ、あえて自分のためにそういう時間を作ることも大切。そうすることで、本来の自分を取り戻せるだけでなく、精神的な成長にもつながるようです。
(構成・文/横田裕美子)